ありがとうございますっ!!


拍手ありがとうございます。
お礼文は、またもや氷虹です( ˘ ω ˘ )
小説5巻を読まれた方も、そうでない方も、この二人の絡み合いを見て、少しでも興味を持っていただけたらと思います…。

喧嘩上等カップル…。
素敵な響きじゃありませんか??( ˘ ω ˘ )
さぁ…貴方も一緒にマイナー道を歩みましょう…(⌒‐⌒)




―――

アメリカで暮らしているだけあって俺は、ソッチの経験は、豊富なほうだ。
女性とは勿論、男とも何回かヤったことがある。
俺にとってそれは、ただのストレス解消とか憂さ晴らしでしかなかった。
気分が乗れば、誘いもするし、誘いを受けたりもする。
年頃の男子相応、誰でもいいからヤれればいい。
そんな考えしか持っていなかった。





ある日マイクが、困っている日本人がいたというので俺へ連絡をしてきた。
駆け付けたとき、何やら揉めていたので、申し訳ないけど相手の方を殴って、その日本人を連れて逃げ出した。
その日本人の名前は虹村修造といい、同い年らしく、しかもバスケをしていたということだ。
俺は、彼をシュウと呼ぶことにした。
それにしても…

(コイツ、可愛いな…。)

ここロスにまだ馴れていなく、俺を頼り、慕ってくるところとか。
シュウとは直ぐに仲良くなれたし。
最近ご無沙汰だったせいか、彼の何気ない動作一つ一つにドキッとしてしまう。
普段なら、この時点まできたら、俺は大体手を出してしまう。

でも、彼は日本人だ。
しかも、つい最近まで日本に住んでいた。
ここでの常識なんて、彼に通用するハズがない。
そんな理由から、手を出すのは我慢した。

…いや、それは只の建前だったかもしれない。
俺はこの時、自分の中に起こった心の変化に気づけていなかった。



―――



「おお来た来た、タツヤ!」

「あ、ごめんシュウ!待たせた?」

「いや、全然。それより、早くバスケしようぜ!」

俺たちは今日、二人でバスケをする約束をしていた。
シュウは、あの日俺に初めて会ったとき以来のバスケらしく、スゴく楽しみそうだ。
服装も、Tシャツにハーフパンツと、動きやすいもので。

(…あ。)

虹色のリストバンド…。

それを見たとき、俺はシュウの腕を掴み、壁に押し付けていた。

「は!?ちょ、いきなり何すんだよ!!?」

「…ねぇ。もしかして、シュウもコッチの人なの?」

「??」

「日本じゃ確か、タチかネコかって言うよね。シュウはどっちなの?」

「ちょっと待て!!何のことだ!?」

「…え?ホントに何も知らないの…?」

「ああ…。」

(そっか…。俺の早とちりか…。)

それもそのはず。
彼は、ここでの常識をまだ知らないから。
それに気づいた俺は、何故だかとても悲しい気持ちになった。
こんな感情、今まで持ったことがない。

「…あのね、シュウ。そのリスバン…。」

「ん?ああ、これは中学の後輩からのプレゼントだよ。これがどうかしたか?」

「虹色って、同性愛者を示す色なんだよ、ここでは。」

「…は、えぇ!?」

「シュウが違うんなら、それは外したほうがいいよ。色んな奴等に勘違いされちゃうからね。」

「お、おお…。そうだな…。」

やっぱり。
シュウは何の躊躇いもなく、そのリストバンドを外した。
それはつまり、同性愛者ではないということ。
勘違いした俺は馬鹿じゃないか…。

「ゴメンな、シュウ…。」

その変な気持ちはまだ消えなくて。
どうすることも出来ないような、そんな感情。
そして俺は、その勘違いのお陰で、シュウに恋をしていたんだと気づいた。
でも、今更もう遅い。
俺は、シュウに謝ることしか出来なかった。

「いきなり壁に押し付けたりして。男同士なのにさ。君から見たら、俺って、気持ち悪いよな…。」

謝ったって、シュウを困らせてしまうだけに決まっている。
分かっていた。分かっているんだ、そんなこと。
でも、謝らないと、自分のこの感情に気がついてしまいそうで…。

…恐かった。

ああ…。ダメだな…俺って。
いつもこうやって、自分勝手で物事を進めちゃって…。
タイガに対してだってそうだ。
ホント、情けない…。


「…はぁ?なんで謝るんだよ?」

「それは、男の俺が、男の君を誘おうとしたからで……って、え?怒んないの…?」

「いや、怒るも何も、別にお前のこと気持ち悪いとか思わなかったし、全然嫌ではなかったからな…。」

少し照れたように彼は言う。
でも、シュウは優しいから。

「…同情なんて、やめてくれよ。俺は、君に酷いことをした。謝らないと、気が済まない。」

シュウはそれっきり黙ってしまった。
こんな面倒くさい俺なんて、呆れてものも言えないんだろうな。
下を向いていた顔を上にあげ、シュウの顔を見ると、その表情は怒りとか悲しみとか、色んなものに溢れてた。


「お前さ…もっと俺のこと信じろよ…」


「は…」

「俺は、あの日俺を助けてくれたときから、お前のことは信頼してる。まるで、何年も前から友達だったと思えるくらいにな。なのに…なんでお前は俺を信じてくれないんだ!?お前も、俺のこと信じてくれてるから、こうしてつるんでるんじゃないのか!?」

「……その通りだな。」

俺は、こんなことにも気づけていなかったのか…。
1、2回遊ぶだけの薄っぺらい関係に慣れてきたせいで、大事なことを忘れてしまっていた。
俺、シュウの事が好きになっちゃったんだ…。

「…ごめん、シュウ」

「や、だから謝んなって。俺もちょっと言い過ぎたかも…」

「いや、これは違う意味での謝罪。大事なことに気づかせてくれてありがとな。」

「お、おう…」

あ、そうだ。
1つ、気になってたこと。

「ねぇ。『俺のこと信じろ』ってことは、俺に押し倒されても気持ち悪くなかったってこと?」

「ああ、まあ一応は…」

「ふ〜ん…。それじゃ、今度俺の家に来ない?最高のおもてなしを…」

「切り替え早いな!!つか、それは怖いからやめとくわ…」

「ふふっ。なんて、冗談だよ。大丈夫。大事な友達に、手出しはしないからね」

多分、今はまだ、だけど…。

「――っ!クソ!!俺が女だったら、その顔ですでにやられてるよ…」

へぇ。
てことは…脈アリかもね。

いつか絶対、オトしてみせるよ。


◆◆◆

感想、その他お気づきの点などありましたら遠慮なく〜(^^)






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