Fear of freedom
匿名様リクエスト生まれてこの方、恋や愛なんてよくわからないものはしたことがなかったが、今になってやっと分かってきた気がする。
カタクリはそっとナマエの鼻梁に口付ける。そこから首へ、背中へも、次々と赤い花を散らしていく。
そして必ず耳元で愛の言葉を紡いでやる。そうすればナマエはビクリと可愛らしく反応する。
彼女の宝石のような目がカタクリの網膜にある。この美しき瞳を独占しているという優越感にカタクリは密かに高揚した。
ナマエとの出会いは忘れもしない。たまたま立ち寄った島にポツリと佇む一件のドーナツ店。ナマエはその店で働いていた。
カタクリの目は瞬間的に彼女に吸い寄せられた。その日から、胸が締め付けられ息ができないほどにカタクリは恋に身を焦がした。その感情は本人の知らないうちに得体のしれ無いなにかに支配されていく。
日に日に強欲になっていくカタクリ。遂にはナマエを連れ去った。自分のものにするために。
もっとおれを見ろ。
ナマエに見つめられる、ただそれだけの事でカタクリは言いようのない幸せに包まれるのだ。
カタクリの心を読んだかのように、ナマエの目がこちらを捉えた。その濁った目にはカタクリの姿が映し出されていた。それに満足したカタクリは、ナマエに啄むようなキスを何度もした。
***
私はカタクリ様を愛している。そう、愛しているのよ。
ナマエはカタクリに愛を囁かれる度、そう自分に言い聞かせてきた。そうでもしないと壊れてしまいそうになるからだ。
平和な島で平和な生活を送っていたナマエの人生は、カタクリによって大きく一変した。突然連れ去られ、突然愛を告げられ。感情の追いつかぬまま、ナマエはただカタクリの所有物として生きている。
毎日がとても恐ろしい。今この瞬間に生きていることが奇跡だと毎日思う。相手は四皇ビッグマム海賊団の幹部、しかも賞金10億超え。
もし飽きられたら。もし愛されなくなったら。確実にナマエは殺されてしまうだろう。それが何より恐ろしくて、だからナマエは自分を騙し続ける。
私もあなたのことを愛しているの、だからどうか殺さないでいて。
最早自分の感情などわからない。とっくに失われてしまったかもしれない。
ナマエの感情のない目には、ただカタクリが写っているだけだった。
カタクリがキスをする。とても優しいものだったのでナマエは酷く安心する。
お願い、あんまり痛くしないで、と懇願するように言えば、カタクリは満足そうに口角を上げてベッドにナマエを押し倒す。もうこの行為は何度目だっただろうか。
「愛している」
「私も、愛しています」
大丈夫、今日も愛されている。私は殺されない。
餅で出来たナマエを繋ぐ鎖が、鈍い音を立ててナマエの耳を刺した。
いかがだったでしょうか。リクエスト内容は、「ヤンデレの度合いが過ぎるカタクリさんに襲われる」との事でした!恐怖によって夢主も若干病んで共依存的な終わりになってしまいましたが・・。それと、同意の上での行為は果たして襲われていると言っていいものなのか?と思ってしまいました。これじゃあただのヤンデレだ。ご希望に添えていなかったらごめんなさい。
最後に、リクエストありがとうございました!今後ともよろしくお願いします。
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