「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ」

スネイプが話し出すと、教室が途端に静まり返る。

「このクラスでは杖を振り回すようなバカげたことはやらん。そこで、これでも魔法かと思う諸君が多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ゆらゆらと立ち昇る湯気、人の血管の中をはいめぐる液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力……諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえふたをする方法である――ただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君がまだましであればの話だが」

スネイプは詩的に語った。

聞く通り、相当怖い先生らしい。

(一年生の魔法薬学なんて覚えてないな・・・)

四年生くらいからの内容しか記憶にない。

「ミョウジ」
「!はい」

やっべぇ、当てられた。

「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」

一年生レベルじゃないでしょ・・。

「生ける屍の水薬です」

この薬は覚えている。いたずらでフィルチさんに飲ませようと作ろうとしたけど、調合工程が恐ろしく難解で挫折したやつだ。

みんなが凄い、という目で見てくる。

「よろしい」

スネイプは満足そうだ。

・・・待てよ、この質問答えられちゃったから、私がナマエ・ミョウジ本人だとバレるかもしれない。

でも下手に間違えたら減点を食らうかもしれない。

「ミョウジ、もう一つ聞こう。ベゾアール石を見つけてこいといわれたら、どこを探すかね?」

まただ。

「山羊の胃を探します」
「その通り。ベゾアール石は山羊の胃から取り出す石で、たいていの薬に対する解毒剤となる。」

良かった。合ってた。これはowlで出た。

「ミョウジ、モンクスフードとウルフスベーンとの違いはなんだね?」
「名前が違うだけで、どちらも同じ植物です」

これはリーマスのおかげだ。

「モンクスフードとウルフスベーンは同じ植物で、別名をアコナイトとも言うが、とりかぶとのことだ。どうだ?諸君、なぜ今のを全部ノートに書きとらんのだ?」

みんなが慌てて羊皮紙にペンを走らせる。

「・・・同じ質問をグリフィンドールのある有名な生徒にしたところ、一問も答えられなかった。どうやら今年のレイブンクロー生はまだマシな出来のようだ」

それでも加点しないところが、本当にスリザリン贔屓らしい。

そして、グリフィンドールのある有名な生徒とは、ハリーのことだろう。

相当嫌われてるなこれは。


その後は、鍋を爆発させることもなく、無事に授業を終えることが出来た。

____

「ちょっとナマエ!凄くない?私が当てられてたらレイブンクローの寮杯空っぽになるところだったよ。すっかりスネイプのお気に入りだね」

ベブが目を輝かせて言った。

「お気に入りじゃないし・・。いたずらで使おうとしたときがあったんだ。失敗したけど」
「それにしても・・。授業は確かにわかりやすいかもしれないけど、怖すぎて調合どころじゃないわ」

ミランダがはあとため息をつく。


「まあまあ。さて!次は変身術だ!楽しみ」

そうだ、変身術!私の一番の得意科目だ。

そして、在学中に蝶のアニメーガスを習得した。

(未登録だから言えないけどね・・・)

そう思いながら、教室へ向かった。
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -