永遠ループが止まらない


「さてと」

「ん?」



ユーリが窓の外を見る。

この家にいれることに心から喜んでいた私は、外が暗闇に呑まれていることに

気付かなかった。



「そろそろ寝るか」

「あ、そだね」



徹夜慣れしている私はまだまだ起きていられるのだが、そこまで迷惑をかけたくない。


ま、たまには早く寝るのもいっか。


そう思い、床に寝転がる。



「・・・・おい。何やってんだよ」

「いや、寝るんでしょ?」

「ああ。・・・なんでお前は床に寝転ぶんだ?」

「?あたりまえじゃね?」



私が床に寝転んだ理由。それは・・・・。


この部屋には、ベッドが一つしかない。

当然、ユーリがベッド。私が床だ。


別に問題はない。あっちの世界にいる時はよく床で寝ていたし。

むしろ慣れているぐらいだ。



「女床に寝させて自分だけベッドで寝るほど落ちぶれてねーよ。

 お前はこっち」



そう言い、私をベッドに連れて行こうとする。


ちょっ・・・・・。



「いやなんで!?落ちぶれる落ちぶれないの問題じゃないって!

 いーの!私床の方が良く寝れる!」



言いながら悲しくなってきた。人としてどうなんだ、自分。



「バカ言ってんな。オレが床で寝るから、お前はこっちで寝ろ」

「バカ言ってんのはどっち!?」



いい加減疲れてきた。これでは会話が永遠ループする。



「・・・・わかった、ちょっと落ち着こうか」

「お前がな」

「ユーリは私にベッドで寝てほしい。私はユーリにベッドで寝てほしい。

 ・・・・・・あれ?どうしよう?」

「整理した意味ねーな」



まったくだ。

・・・・いや、方法がないわけではない。

しかし、それをすると色々危ない。

何がって・・・・・・ユーリが。



「・・・・・」

「・・・・・」



お互い沈黙。



「・・・ユーリ」

「ん?」

「一つ方法があるのだが・・・・」

「・・・なんだ?」

「二人がベッドで寝るのはどうだろうか」

「・・・・マジで言ってんのか?」

「あんまりこの方法は取りたくなかったんだけど・・・・」

「だろうな。一応女だし」

「いや、ね。うっかりユーリを襲いかねないから」



隣にイケメンがいて襲わない手はない。というか理性が持たない。



「・・・・本当に女か?」

「うるさい!自分でも自覚してるわ!

 ・・・で?どうしますか」

「そうだな・・・・」



顎に手を当てて悩む。そりゃそうか。自分が襲われるかもしれないんだし。



「・・・・お前がいいってんならいいぜ」

「正気か!?自分が襲われるかもしれないんだぞ!?」

「お前な。(自分が襲われるかもってのはないんだな・・・・。)」

「・・・わかった。頑張って理性抑えるから。

 それじゃあ、寝るか」

「やけにあっさりしてるってか・・・・。

 オレが男として見られていないだけか・・・?」



なんかユーリがブツブツ言ってる。


独り言?寂しー。






こうして、初夜のようなドキドキの夜が始まったのだった。





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