カッコいい人は中身もカッコいい


「オイ、何騒いでんだ?オレの部屋まで聞こえてんだけど」

「ユーリ!今大変なんだ!」



や、ヤバい・・・・。今目の前には、ずっと会うことを夢に見た

本物のユーリがいる・・・。

ユーリィィィィィィィ!!!!!


思わず叫び、抱き着きそうになるのを懸命に抑える。



「どうしたんだ?」

「それがね!このお姉ちゃんが・・・・」

「い、いいよ!そんな大事じゃないから!野宿するって!」

「だからダメだって!!」



うわーん!テッド君が反抗期だー!


私が落ち込んでいる間に熱心に伝えようとするテッド。



「で?どうしたって?」

「うん!あのね、このお姉ちゃんの泊まる部屋がないんだ!

 お金はあるんだよ!でもどうすればいいのかわからなくて・・・・。

 お姉ちゃんは野宿するって言うし!」



思いっきり睨まれた。なぜ??

私なんか間違ったこと言った?


ユーリは私の方をチラッと見てもう一度テッドの方を見る。



「ま、野宿はないな」

「な、なんで!?」

「なんでって・・・。もし野宿なんてして、魔物にでも食われたら

 女将さんが困る。自分を責めたりしてな」

「う・・・・。じゃ、じゃあどうすればいいのさ?

 野宿以外私には何もないんだ!」



聞きようによってはちょっと重いセリフ。


・・・『野宿』を除いたらね。



「んー・・・・」



ユーリは悩んでいるのか、顎に手を添え少し上を向く。


そんな考えなくても・・・・。



「・・・んじゃ、オレの部屋来るか?もちろんアンタが良ければ、だが」

「!!?」

「んな驚くなよ」



ま、マジかあああああああああああ!!!!!

確かにユーリの部屋行きたいなーとか思ってたけど!



「い、いいの!?」

「ああ、オレは構わねぇぜ」

「や・・・・・」

「?」

「やっっっっったぁぁぁぁああああああ!!!」



きゃっふぅぅぅぅぅぅぅ!!!


いきなり叫んだせいか、驚いて瞳を見開くユーリ。



「ふつつか者ですが、よろしくお願いします!!」

「それは嫁入りの時のセリフな。

 ま、コッチこそよろしく」



こうして、グダグダながらユーリの部屋に泊まることになったのだった。





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