「あの…あなたのことが好きなんです…!」

   夕食後から図書館に引き篭もって本を読んでいたらいつの間にか消灯時間の
   直前になっていた。何にも言わずに出てきてしまったから、リリーが怒って
   いるかもしれない。いつもより近道をして廊下を急いでいると声が聞こえて
   来た。



 
   告白現場だ。この廊下は人通りが少ないからか告白に多く使われるようだ。
   こういう場面に遭遇したことはそう少なくない。私はいつも通り壁にもたれ
   かかって告白が終わるのを待った。





   「悪いな。俺は好きな奴がいるんだ」

   「そう…ですか」


   どきりと心臓が跳ねる。多分女の子だろう、走り去っていく足音が遠くなり
   もう大丈夫だろうと確認もせずに曲がり角を曲がると目の前に男の子が立っ
   ていた。まだ普通の人なら良い。だけどその相手は私が生まれて初めての唯
   一好きになって、現在進行形で片思い中のシリウス・ブラックだったのだか
   ら。





   「あ……」

   気まずくなって、目線を逸らしながら横を通り過ぎようとすると突然ぐっと
   腕を掴まれた。もしかしてばれてた?冷や汗が出てくる。






   「お前、見てたろ?」

   「えっと…なにが、かなぁ?」


   今更知らないふりをしても無駄だろうと頭の隅で思いつつ、比較的苦手なつく
   り笑いを浮かべる。それでも相手は表情を崩さない。





   「俺のこと好きなんだろ?」

   「は…?告白のことじゃないの?」


   すると完璧な彼はやっと表情を崩して、見られてたのか。と呟いた。いまいち
   話が合ってないと思うのは私だけだろうか。





   「なんの話してるの?」

   「お前が俺のこと好きだって話だよ」

   「なんだ。そっちだったんだ」


   「で、お前は俺のこと好きなんだよな?なまえ」

   「うん」

   「意外とあっさりだな…」

   「だって嘘ついても仕方ないでしょ?」




   まあな。と言った彼はいつも通りやっぱりかっこよくて視線を背けそうになっ
   たけど、それはかなわなかった。顎を強引に掴まれてキスされたから。なんで
   シリウスが私の名前を知ってたのかはよく分からないけど、彼は俺もお前をず
   っと見てたからだよ。と笑った。











   おすすめ告白スポット
   (なまえ!こんな時間まで何してたの?)(シリウスの告白見てたの)


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