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何で今日に限ってどこもトイレが満杯なんだ?

部活を終え、トイレを使用してから帰ろうと思っていた鹿月はあちこちのトイレで弾かれていた。
どこもかしこも野郎どもがそわそわと行列を作っている。

集団食中毒か?

そんな事を考えたが、女子トイレにそんな異変はなく、鹿月は首を傾げ、
「仕方ねぇ。アレを使うか」
鹿月が向かったのは用務員室。

そこのトイレを使わせて貰いスッキリとしたから帰ろうと廊下を歩いていると
「んぎゃーーーーっっっっっ」
そんな奇声を上げながら真っ赤な顔してすっ飛んで来る男子生徒とすれ違った。

「何だあれ」

そんな呟きを零してると
「はぎゃあああっっっっっっっ」
とまたもや奇声を上げて階段を駆け降りる男子生徒とすれ違う。

「・・・・何なんだ、一体」

階段上には美術室と音楽室がある。
鹿月は怪訝な顔をして階段を登って行った。


美術室の入り口に、えりちの姿があった。
「えりち?」
声を掛けると、えりちは振り返り
「・・・・あ、鹿月・・・・」
と困ったような顔をしている。
「何かあったのか?」
と尋ねる鹿月にえりちは、
「それがさぁ・・・・」
と視線を美術室の中へと向けた。
それに誘われるように視線を向けた先には、最近見知ったちんまりとした下級生と、それから金髪の下級生が固まったように立ち竦んでいる姿があった。

「凛ノ介、ナカ、何やってんだ?」

鹿月は後輩の名前を呼んだ。
しかし2人は固まったままだ。
思わずえりちを見ると、えりちは顔に「あちゃー」と書いていて何かマズい事が起きているのだとは判った。

その時、鹿月の耳に『それ』が聞こえて来た。

「ア・・・やっ、あ」
「んっ、ふっ」
「ああ、も、ダメ」

世にもエロい声が準備室から聞こえて来たのだ。

 

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