後日談
毛利探偵事務所が入るビルの一階にある喫茶店ポアロ
とある事件を追って毛利さんを頼ってきた俺たちは、うんうんと唸っている毛利さんにずっと張り付いているわけにもいかず、ひとまずここで待つこととなった。
今まで何回も毛利さんに会いに来たことはあったが、ポアロへ入ったのは今回が初めてだ。
注文を聞きにきた女性に、アイスコーヒー2つとサンドウィッチを頼み、一息ついた。
佐藤さんもお冷やで喉を潤し、頬杖をついた。
「今回も毛利さんが冴えてるといいわねぇ…」
「そうですね、毛利さんの推理もたまーに外れることがありますし…」
コナンくんがいれば、子どもらしい発見や工藤くん仕込みの知識で毛利さんの推理の助けになることが多いが、今はまだ小学校で勉強をしている時間だろう。
「そういえば結局高木くんに説明してなかったけれど」
「はい?何のことです?」
事件の話から唐突に話を切り替えられ、頭で検索する前につい口から答えを求める。
「いやね、もう忘れたの?この間の強盗事件。」
「えっ…あ、ああー!いや、忘れるわけないですよ!」
まだこの間の水曜日じゃない、と呆れた佐藤さんの表情にすぐに反論する。
忘れるわけない。
強盗がたった2人とはいえ…
「強盗を1人で伸して捕縛!犯人達の怪我は打撲のみ!そしてあの謎の銃です!一体彼女は何者なんですか!」
パリーン、と店の奥から皿の割れる音が聞こえた。
先ほどの女性だろうかと振り向いたが、すぐにアイスコーヒーが運ばれてきたので、また佐藤さんに向き直った。
「銃じゃなくて、あれは彼女が作ったオモチャよ。」
そう言って楽しそうに彼女のことについて語ってくれた。
まぁ中身はやっぱり思っていたより凄かった。
「で、これが今シノブが載ってるファッション誌よ!」
「ほ、ほんとなんですね…!ていうか自分で服着ちゃってるんですか!」
「だってそこらのモデルよりシノブの方が美人じゃない。」
なぜか佐藤さんが自慢げにしている。
…なるほど、確かに、あまり化粧も派手ではないのに隣のモデルよりも…
「お待たせしました。サンドウィッチです。」
もう少し近くで見ようと雑誌を持ち上げようとしたとき、サンドウィッチの乗った皿がテーブルに置かれる。
反射で顔を上げると、爽やかなイケメンがにこやかにこちらを見ていた。
爽やかに、にこやか…だがなんとなく自分の顔が引きつるのを感じた。
俺より気配に鋭いはずの佐藤さんは、サンドウィッチを見て喜んでいる。
これは俺だけに向けられたものなのか…?
「さ、佐藤さん、そろそろ毛利さんも推理が進んでいるかもしれませんし、急いで食べましょう!」
「ええ?わ、わかったわよ…」
(シノブさん、先週僕と食事に行く前に郵便局にいました?)
(『えっ…郵便局行ってないヨ!』)
(僕に嘘をつくんです?)
この後会ってちゃんとごめんなさいしました。
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拍手コメでリクあったんですが、
いまいち不発で申し訳ない。
安室さんが乱入するから悪い。
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