コスチューム



「女子のコスチュームってエロいよな」

実技終わりの休み時間、先に着替えて教室でのんびりしている男子の会話だ。
言わずもがな、言いだしっぺは上鳴である。

「ぴっちりもエロいけど、露出で言うと断然ヤオヨロッパイだな」

でへへ、と顔をだらしなくする。先ほどの演習で見たコスチュームを思い浮かべているのだろう。

「いやー、ヤオヨロッパイもいいが、ぴっちり系のコスチュームもいいぜ!」

上鳴に続いて峰田や切島も会話に参戦する。

飯田も口では「下品な会話は止めたまえ」と言ってはいるが、それ以上は注意をする気配はない。

「しかし、ナンバーワンはアイツだな」
「ああ…全体的にエロいよな…」

その言葉に、教室にいる男子全員が同じ顔を思い浮かべ、ついつい心の中で同意する。
この時ばかりは爆豪もだんまりであらぬところを見つめている。

「忍び服がエロいのか?!里山の体がエロいのか?!」
「どっちもだろ!!太もももエロいし、なによりあの装束の合わせを開いてみてぇ〜!」

例の2人がきゃいきゃいとはしゃぐのを余所に、轟がフッと笑う。

「…そろそろ黙った方がいいかもな」

「私を捕まえられたら、考えてもいいよ」
「「え"…」」

男子全員が首をぎこちなく動かし、声が聞こえた方を見る。
そこには天井の一部を外し、こちらの様子を伺うシノブがいた。

「里山!!なっおまっ…!」
「忍者だからね〜」

相変わらず物音をたてず、すっと降り立ったシノブはそのまま教室のドアを開く。

「私は気にしてないけどね。」

私はね、と強調するシノブの後ろには般若を背負った女子陣がいた。



(お前も少しは怒ったらどうだ)
(いやー、私が怒るまでもないでしょ。ていうか轟くんも少しは妬いたらどう?)

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