体力測定
「…こんなものかな」
静かに砂場に着地し、スタート地点を振り返る。
爆発する彼やジェットな彼に比べたら劣るが、まあまあな飛距離だろう。
一人満足してみんなのところへ戻る。
「す、すげえ…9mは跳んだぞ」
「ア”?俺の方が跳んだだろうが!」
「い、いや、でもよ!砂埃ひとつ立たなかったぞ?!なんつー綺麗なジャンプだよ…」
みんなの視線が集まっているのを感じる。
確かにいつもの癖で音を立てずに着地してしまったが、それが注目されてしまったようだ。
さっそく女子グループに囲まれてしまう。
「さっきの50m走もすごい早かったのに、めちゃ静かな走りやったよなぁ」
「それは里山さんの個性によるものですの?」
音を消す個性かしら?いや、でも身体能力もかなり高いですし…と私の個性がかなり気になっているようだ。
「うーん、音を消す個性とかではないんだけど。個性に附属するものというか…蛙吹さんみたいなものかな?」
みんなの頭の上に?マークが浮かぶのが見える。
「私の個性、忍者なんだよね」
忍者は足音をたてない。