モニター
「あれ?昴さん、これどうしたの?」
今日は朝から自宅に戻り、読み返したい小説を探していた。
探しているうちに、いつものことだが読みふけってしまったようで…昴さんに声を掛けられた頃にはとっくに昼食の時間を過ぎていた。
そんなわけで、今は昴さんの作り置きカレーをいただいているわけだが…
テーブルの隅に、見慣れた黒光りする鉄の塊。
「まさか本物の銃じゃないよね?」
「…さて…どう思います?」
この人なら持ってるんだろうが、こんな無造作に置かれていいものではない。
が、目の前のこれは、コナンの目から見てもなかなか判別できない代物だった。
「触ってもいい?」
本物だとしても、自分なら危ないことにはならない。
そう判断して昴さんに尋ねた。
「いいですけど、引き金に気をつけてくださいね」
後片付けが大変ですから
眼鏡越しにグリーンと目が合う。
ピリッとした空気を感じ、静かに頷く。
「…ねぇ、昴さん、これってやっぱり本物…」
「に見える?」
背後から聞こえた聞き慣れた声に、目の前の空気が和らいだ。
「姉さん、来たのかよ…」
「なによ、実家に来ちゃ悪いの?別に新ちゃんに会いに来たんじゃないんだけど!」
じゃあ誰に会いに来たんだと言いかけて、先ほどの和らいだ気配が脳裏に浮かぶ。
まさかオメーら…という目で二人を見てやれば、姉は少し慌てた様子で手を顔の前で横に振る。
「赤井さん、その子の調子はどう?」
「え…それってどういう意味?!」
「一応ボスにも聞いてみるが、問題ないだろう。」
「ちょっと姉さん、説明して!あと違和感凄いから昴さんの顔で赤井さん口調止めてほしいな?!」
「新ちゃん、これは私のビジネスでもあるから邪魔しないで。」
(それはシノブさん印のペイント銃よ)
(カラーボールの役割がメインだが、飛距離もピストル並み、しかもなかなか痛いそうです)
(大変なことになるってそれかよ…)