任務なんてめんどい。最近はずっと弱い奴ばっかり相手にしてるからまじつまんねー。何でこんなに弱い奴らばっかなわけ?意味わかんね。もっと張り合いのある奴いねーのかよ。王子と殺り合うってこと自覚してねーんじゃねぇの?あーまじつまんね。



「お前中々やるじゃん」

「あら、それはどうも」



そんな中オレに一つの任務命令が下った。相手は女、仮にもマフィアだから一般人なんかよりはましだろうなーなんて考えていたけど、違った。ましだなんてレベルじゃねーやコイツ。やっと見つけた、王子と張り合える奴。



「ねぇ、名前は?」

「あん?何で王子が名乗らなきゃなんないわけ?」

「ふぅん、王子、ね。私は真白。面倒だから王子と呼ぶわ」

「本気でオレのこと知らねーんだ」



王子のことを知らない奴なんて初めてなんだけど。何で知らないわけ?普通、知ってんだろ。知ってて当たり前だっつーの。でも何かコイツ、面白い。だって有名な王子のこと知らねーわけだし?



「ベルフェゴール、」

「王子のこと呼び捨てんなよ」

「きれいな名前じゃない」

「真白の方がきれいじゃね?」



初めて会って……いや、戦って、か?それから何度も何度も戦ったけど、決着は着かねーまま。ただ変わったことは戦うんじゃなくて会話ばっかりするようになったこと。だって何かオレ、真白を殺るの嫌になってきたし。しししっ、オレまじ意味わかんね。



「王子がそんなこと言うなんて、珍しいわね」

「オレだって言うっつの」

「私を好きになった?」

「真白が王子を好きになったんじゃね?」



最近オレ、意味わかんねーことしか言ってねーんだけど。きれい、とか口に出しておきながらまじ似合ってねーし。これじゃオレ堕王子じゃん。うわ最悪。



「そうね、そうかもしれないわ」

「ししっ、真白素直♪」

「王子も素直になればどうかしら」

「ヤだ。だってオレ王子だもん」



オレが素直になんてなったら、それこそ堕王子じゃね?つか堕王子通り越すだろ。真白に言われたからたまには素直になんのもいいかなとか思ったオレって、もう堕王子じゃね?まじうける。



「敵を好きになるなんて、オレ、まじうけるー」

「素直になった」



笑顔になった真白にキスをして別れも告げずにその場を離れた。きっとまたオレ明日も真白のとこ行ってんだ。




互いに恋をしたのは敵
(真白、お前ヴァリアーに入れよ)
(どうして?)
(オレの姫にしてやる)
(あら、いいわね、それ)
(うししっ、王子に感謝しろよ?)
(ええもちろん)



(2009.12.31)




遅れましたがベルお誕生日記念でした!



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