たまたま。そう、たまたま、そこを通りかかったら、真白と見ず知らずの男が二人で何やら立ち話をしていた。そこは人通りなんてほとんどなく、薄暗い場所。そっと身を潜めて話を窺う。


「ええ……そんなこと言われてましても……」

「少しくらいいいだろ?」

「無理ですってば……」

「ほんと、少し付き合ってくれるだけでいいから!頼むよ」


何の誘いかはわからないが、真白が男に誘われて断っているけれど、男に引く気はなさそうだった。俺がどのタイミングで出ていこうか考えている間にも、不毛な押し問答は続いていく。


「1時間だけでいいから!」

「困ります……」

「どうして?彼氏いないんだろ?合コンくらいいいじゃん、な?」

「それは、その……」


眉を下げて情けない表情をしている真白。上手く答えられないのをいいことに、更にグイグイ押して、最早無理矢理にでも肯定させようとしているように見える。これ以上見てらんねえな、と思って出ていこうとしたタイミングで、男は真白の肩を掴もうとした。


「人数合わせだからさ、来てくれよ」

「だから無理……っ!?修兵、」

「わり、こいつ俺のだから」


男の手が真白に触れる寸前、後ろから真白をぐいっと抱き寄せる。咄嗟に振り返った真白に、そのまま口づけを落とす。男は驚いた顔をしたあと、すぐに眉間に皺を寄せて、彼氏いんのかよ、と捨て台詞を吐いてどこかへ去っていった。


「はー、あいつ面倒くせえな。大丈夫か?真白」

「ありがとう、修兵」

「真白、困ってんだったら俺が彼氏だって言ってもよかったんだぜ」

「今度からはそうするよ」


何事もなかったかのように言う真白だけれど、耳まで真っ赤で。照れ隠しに平静を装っているのだということがバレバレだ。俺はそんな真白の首筋に唇を寄せ、強く、


所有印を押し当てた

次の日は俺と真白の話題で持ち切り、大成功。



(2018.07.06)



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