私はボス――もといザンザスに全てを話した。私がこの国の姫であり二年だけと両親と約束をして家を出てきたこと。そして二年が経った今、家へ帰らなければならないことも……。ザンザスはただ黙って話を聞いていてくれた。



「だけど、」

「あ?」

「私、家を捨てるわ」

「真白?」



一層眉間に皺を寄せるザンザス。人差し指を当てるとザンザスは目を瞑り皺を解く。何故かぎゅっと抱きしめられて少し息苦しくなる。だけどこの感覚が、ザンザスが私を独占しているようで安心出来る。背中に腕を回した。



「こんなにもザンザスを愛してしまったんですもの。ずっと……ずっと、一緒にいたいの」

「真白が決めたことなら、口出しはしねぇ」

「いつまでも、私の傍にいてくれる?」

「……あぁ。真白、」



次の句は紡がれず口づけが落ちてくる。何を言いたいのかは大体わかるようになってきた。今はきっと、愛していると言いたかったのだと思う。それを証立てるかのように口づけは酷く甘い。その日私は両親にも全てを話した。



(2012.04.04)



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