夜、俺は彼女である真白と部屋で二人だけの祝宴を挙げていた。隊での盛大な祝宴はとっくに終わった。酔ってしまわないようにと酒を飲む量を調整しながらだったが、それなりに楽しめた。きっと真白と二人、こうすることが隊の祝宴のあとに待っていたからだろう。


「準備出来たか?」

「うん、おっけ!檜佐木修兵隊長への昇格と、」

「華紀真白副隊長への昇格を祝して、」

「「乾杯!」」


カランと心地の良い音を立ててグラスがぶつかる。明日の職務への影響を考えてチューハイにして、量も一人二本までと決めての祝宴だった。真白も俺もグラスに注いだ一本目を一気に飲み干した。


「俺が隊長、か……。しかも真白が副隊長だなんてな」

「想像もしてなかったよね。確かに上司と部下の関係にはあったけど」

「勤務中もタメ口だった真白が、よく言うぜ」

「修兵が怒るからでしょーが」


他愛もない会話をしながら、二本目もグラスに注いだ。それは話す合間に少しずつ味わって飲んだ。時々会話が途切れても落ち着いた静かな空気が揺らぐことはなかった。日付が変わる頃にグラスを空にして二人で寄り添って眠った。



(2012.07.29)



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