都が虚に殺されてから二年が経った。あの時真白が俺を助けてくれた。朽木が俺を刺したあと霊子になる瞬間に真白の斬魄刀の能力で、だ。都を失って絶望の淵に立っていた俺の傍にいてくれたのは、朽木でも浮竹隊長でもなく真白だった。



「なあ、真白」

「んー?」

「……その、」

「海燕?」



慰めの言葉も励ましの言葉もかけず、ただ都が死ぬ前と同じように何事もなかったかのように振る舞っていた。そんな真白に腹が立ったこともある。だけど俺は傍にいてくれる真白を、知らない間に心の拠り所にしていた。



「俺と、結婚、してくれねえか……?」

「……いい、の?」

「ああ。もう、大丈夫だ」

「それなら、喜んで」



ふわりと笑ってくれた。誓いのキスに似たようなキスを交わして真白の左手の薬指に指輪を嵌める。俺のは真白がしてくれた。俺は……真白を好きになっていた。いつも柔らかく笑いかけてくれる真白を。都のいなくなった心の穴を塞いでくれた。今はもう、真白だけに、愛情を――。



(2012.03.20)



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