「こうしていると何だか、恋人みたいね」

「周りからみるとそう見えるだろうな」

「ふふ、本当は違うのにね」

「でもオレ、真白のこと、」

「それは言わない約束でしょう?」

「そうだけど……」

「私たちは恋人にはなれないの、どう足掻いても、立場があるから」

「それなら、オレが継承したら」

「政略結婚は無理よ、父が許さないわ。綱吉はマフィア、私は警察だもの」

「……真白を、奪い取るよ」

「いつでもどうぞ?だけど一つだけ言っておくわ」

「な、に?」

「あくまでも私は“警察”を貫き通すわ。いつの日か牢に行くことを覚悟しておいてね?」

「ボンゴレは確かにマフィアだけど、自警団だ。それなのに?」

「ええ、ボンゴレがマフィアである限りね」

「そ、っか……」

「でもね綱吉、私の気持ちは昔から変わっていないわ。これだけは信じてね?」

「うん、ずっと、真白を信じてるよ」



本当は立場などどうでもよくって……ただ綱吉と一緒にいたい、そう思っているの。
だけどそれは父が許してくれないから、だから私はこう言うしかないの。
綱吉なら、きっとわかってくれる、よね?


マフィアになりたくてなったわけじゃない……だけど今はもう仕方ないこと。
どうすれば真白とずっと一緒にいられるかって、嫌という程考えた。
真白は立場にこだわるような人間じゃないとわかってる、だからこそ真白のお父さんは……。



「今日はありがとう。楽しかったわ」

「オレの方こそありがとう」

「いつかまたこうして出かけましょうね」

「ああ……必ず誘うよ」

「待ってる。じゃあ、また明日、綱吉」

「うん、また明日、真白」

「……綱吉、」

「言わない約束、だろ?」

「そうね……」

「絶対に、いつか、この約束なんて壊してみせる」

「信じているわ」

「真白……オレの気持ちも、昔から変わってないから」



(2012.02.21)




遅すぎですがツナお誕生日記念でした!



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