血塗れの守護者の近くに真白が倒れていた。一番真白に近いのは獄寺くんだ。その後ろに山本やお兄さん雲雀さんクロームランボ。血塗れになるようなことを決してしないだろう守護者たちが今オレの目の前で血塗れになっている。しかもその近くで真白が倒れているとなると大事だ。



「真白!真白っ!」

「つ……な、よし、」

「しっかりしろ真白!」

「よかっ、た、最期に、綱吉に、会えて、」



弱々しい真白の声。今にもその小さな灯は消えそうでオレを恐怖が襲う。と共に真白をこんなにした怒りがオレを狂わせる。絶対に死ぬなと真白にキスをして立ち上がった。



「誰がやった?誰が、真白をこんな目に遭わせた?」

「ツナ……」

「誰がやったのかを聞いているんだ!答えろよ!」

「10代目、あの、」



誰もオレの問いに答えてくれないことに更にいらいらが募る。いつ戦闘になってもいいように死ぬ気丸を飲んだ。一人一人の目を見ても誰も合わせようとさえしない。ただ獄寺くんだけが俺と一瞬だけ目を合わせた。だけどその表情は“自分がやりました”というような感じの申し訳なさそうなもの。
その怒りの矛先は、



「いくら獄寺くんでも、これだけは許せない」

「っ、10代目!」

「綱吉……!」

「真白は、俺の大切な人だ!」



真白の声が聞こえた気がしたけど獄寺くんに突っ込んで頬を殴った。獄寺くんは守護者たちの間を擦り抜けて吹っ飛んだ。それにも関わらず俺を止めようとする守護者はいない。
次に矛先が向いたのは、





「うわあぁぁぁぁぁあああああっっ!!!!」



長い夢を見ていた。大きな悲鳴と共に布団から勢いよく起き上がったことで目が覚めた。此処は間違いなくオレの家でオレの部屋でオレのベッドだ。真白はきっと今頃家にいるだろうし守護者のみんなも各々何かしているだろう。あんなことが起きるわけがない。第一に真白を襲う理由が何処にも見当たらない。
母さんが部屋に来て心配そうに声をかけてきたから大丈夫だと言った。さっきまで身を預けていたベッドに倒れ込み、左腕を額に乗せた。視線は真っ白な天井。その状態のままさっきの夢を思い返す。
しばらくしてオレはベッドから起き上がり食事や歯磨きなどを済ませて夢に出てきた町外れへと向かった。



「真白!?」

「綱吉……」



オレの視界に映ったのは夢の光景そのままのものだった。真白が倒れ、その近くに獄寺くんを先頭に守護者たちが立っている。真白も守護者たちも夢のように血塗れだ。



「誰がやった?」

「違う、綱吉、」

「誰が真白をこんな目に遭わせた?」

「つ、なよし、!」



真白の声なんてまるで聞こえなかった。真白を抱き起こして守護者たちに問いかける。やっぱり夢と同じで誰も答えてはくれない。ただ違うのは真白の台詞。
そっと真白を元のように地面に寝かせて死ぬ気丸を飲んだ。



「10代目、あの……」

「ツナ……真白は、その、ツナが、」

「君が傷つけたんだよ沢田綱吉」

「俺が?真白を?」



真白を見遣ると首を振った。俺じゃないと真白は言っているんだ。でも守護者たちが嘘をついているようにも見えない。じゃあ一体この矛盾は何なんだ?



(2010.10.16)




遅くなりましたがツナお誕生日記念、続きます!



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