短編 | ナノ







「痛くない?」
俺はミカサの膝で耳掻きを
してもらっていた
「痛かったら痛いって言ってる」
別に一人で耳掻きが
できない訳では無い。
「交代」
今度はミカサが耳掻きされる番だ。

訓練兵団の中で
なかなか甘える時が無い上に
ミカサは何でも自分で出来てしまうから
俺がミカサを甘えさせるのは難しくて
だからこうやって
たまに耳掻きをしあっている。
食堂やみんなのいる前でやると
付き合ってるんじゃないか
ってからかわれるから
こうやって空き部屋を探して
こっそりと二人で
耳掻きをしあっている。

ミカサはアルミンには
耳掻きをしない
まぁ、ミカサは
俺が家族だから耳掻きしあっている
のだと思っているのだろう。
でも、
「ひぃっ…」
こうやって俺にしか聞けない声が聞けて
「悪りぃ、痛かったか」
「もっと丁寧にやって」
「はいはい」
俺にしか見せない顔をするミカサを
それが見聞きできる役割を
誰かに渡すつもりは微塵も無い。

「エレンはいつになったら上手になるの」
耳掻きが終わると
膝枕されたまま不満そうに
ミカサが言ってきた。
「丁寧にって言ってるのに、
丁寧にしてくれない」
ちょっとプリプリ怒っている
本気で怒っていないミカサはかわいい。
そんなこと絶対口には出さないけど。
「これ以上どうやって丁寧にやるんだよ」
ついつい、そっぽを向きながら
言い返してしまう。
「そもそもエレンは何にでもがさつ。
対人格闘だってもっと相手を
よくみてやれば
もっと早く相手を倒せるし、
乗馬だってもっと
馬に優しくしてあげれば…」
言い返した何倍もの説教が返ってくる。
でも、こんなに言えるってことは
俺をずっと見てるってことだよな。
家族 とミカサは言うけれど
本当の家族にいつかなりたい
なんて思ってるって言ったら
コイツどんな反応するかな。
と思い 少しニヤついていると
「聞いてるの?」
と怒気をはらんだ声で言われる
「聞いてるよ」
そう言って頭を撫でてやると
「エレンはそうやっていつも
私が喜ぶと思って
頭を撫でて話をはぐらかす。
でも今回はそうはいかない。」
やっぱり喜んでるんじゃねーか
と心の中で思うが
これ以上怒られたくはないので
起き上がったミカサを
腕の中に閉じ込めてやる
そうすると、ミカサも
俺の背中に手を回して
無言になる。

無意識に互いを求めてるんだ。
卒業して、調査兵団に入って
どちらかが死んだらどうしようって
たまに不安になる
巨人を駆逐し終えて平和になっても
隣にこいつがいなかったら
生きた心地はしないかもしれない
でも ミカサは強い。
たとえ俺が死んでも
ミカサは生きていると思う。

俺とミカサの二人が生き残るためには
俺がちゃんと生き残らなければならない。
そしていつか
母さんを殺した巨人を駆逐し
この世界から巨人を駆逐し
この手に余るほどの幸せを
コイツと掴み取るんだ。



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979を踏まれたももさんのリクエスト
エレミカで糖度高めでした!
糖度高くなったかな…?

てか、エレンが女々しいかも…
女々しくて女々しくて女々しくて
つらいよおおおおおお((黙
そして題名の双依存は言い過ぎかも((汗
ここまで読んでくださってありがとうございました。






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