短編 | ナノ







「前世って信じますか」
図書委員の書庫整理をしているとき
黒子くんが話しかけてきた
黒子くんと話すのは
委員会のときだけである。
しかも片手で数えられるほどしか
話したことはない。
そもそも俺は本には興味がない
ただ、じゃんけんにまけて
この数週間に一回当番が回ってくる
面倒くさい委員会に入ることに
なってしまったのだ。
「僕、前世は影だったんです」
意味がわからない
それでも彼は話し続ける
「影と言っても本物の影ではありません」
そうか、よかった と心の中で呟く
黒子くんが中二病とやらを
患っていなかったことを安堵する
「光と呼んでた強い選手を支える選手だったんです」
幻のシックスマンなんて
呼ばれてたんですよ と彼は言う
そんな彼は現在帰宅部所属。
帰宅部らしくなく
図書館で毎日本を読んでから
帰っているらしい。
これは前回までの委員会の
仕事のときに聞いた話だ。
というのも、彼は現在
「そして!!!!僕は当時の光を見つけたんです!!!!!!」
息切れしそうなくらい
興奮していた
「そりゃ…よかったな…」
それはそれは
俺がドン引きするくらいに
「でも、見つけたのが遅すぎて彼はおじいちゃんになっていたんです」
あらま、可哀想に。
おじいちゃんってことは
現世では一緒に
プレーできないだろう。
そもそも、お前は
「でも!!!!それは中学の時の光であって!!!!高校の時の光も見つけたんです!!!!」
そりゃよかったな
だが変に相槌すると間が悪くなる
と思ったので無言で頷くと
「君です、火神くん」
は?
「やっと会えた」
数週間前の委員会のときまで
何も言われなかったのに
そもそもクラスも同じで
席も近かったのに
ろくにに話したこともなかったのに

その狂気的な視線に
俺の野生がヤバイと言っていた






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あとがき
ヤンデレ火←黒でした。
なんで書いたのかわかんない。
疲れてたのかな??←
BLはまだまだ練習中です!






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