背後注意!
「静ちゃん、明日ひま?」
いきなりの臨也からの問いにビビる。いつもなら俺の予定なんて気にせず会いに来るのに。
「明日か?ああ…悪い仕事の後トムさんと飯食い行く約束してるわ」
「え?…ああ、そうなんだ」
一瞬驚いた顔をしたと思ったあとすぐにいつもの顔に戻る。…なんだ手前、俺には予定がないかと思ったのか。俺だって上司と食べにくらい行くさ。
「何時ごろ帰ってくる?」
「わかんねぇよ、たぶん夜中になるんじゃね?」
「…明日の約束、明後日にしてもらうことできない?」
「あ?なんでだよ、こっちの約束の方が先だったんだからこっち優先する」
「……」
珍しく臨也にしては引き下がらない。顔はどこはムスッとした表情だし。こっちを心なしか睨んでる気がする。明日なんかあんのか?記念日でもねぇし。例え記念日だとしても女々しいな。
「なんだよ?言いたいことあんなら言えよ」
「…、もういい。帰る」
そのまま臨也は俺に背を向けて走っていってしまった。なんなんだ、あいつ……
結局そのまま次の日を迎えてしまい俺はトムさんと飯を食いに居酒屋に行った。
「いっぱい食えよ。今日は俺の奢りだからな」
「まじッスか!?いや、でも俺が払いますよ」
「いいのいいの。気にしないで食べて」
「じゃあ、お言葉に甘えて…。すいません、ありがとうございます!」
トムさんにはいつもお世話になってるから奢らすことなんてしたくないけど、どうも引き下がらないので言葉に甘えさせてもらった。昨日の臨也と言い、なぜ引き下がらないのだ。そんな事を考えていたが注文していたものが運ばれてくると考えることを放棄して食べることと飲むことに集中した。
トムさんと談笑しているうちに時間はあっという間に過ぎていきもう11時になってしまっていた。
「明日も仕事あるからこの辺にしとくか」
「そうっすね。じゃあ、今日はゴチになります」
「いいよいいよー、今日お前の誕生日だろ?なんかプレゼントしようと思ったけどなにがいいか分からなくてよー。こんなんで悪いな」
「え?」
「あ?なにお前今日自分の誕生日だって忘れてたの?」
「……みたいです」
「まぁ、この仕事してると曜日感覚なくなるよな〜そんな訳だ、おめでとさん」
「…ありがとうございます」
会計を終わらせたトムさんと店前で別れる。
そういうことだったのか。だから昨日臨也はなかなか引き下がらなかったのか。恋人と誕生日を過ごしたいって思うことは当たり前か。…悪いことしたかもな。今から会いに行ったって迷惑だよな…と思いそのまま家路に着くことにした。
鍵を開けようとしたら掛かってなくて、朝掛け忘れたのか?と思ったがしっかり閉めた記憶がある。なんでだ…泥棒なのか。人様の家に入り込むなんて許さねぇ、そう思い中へ入っていく。
リビングへと続く扉を開ければびっくりする光景が広がっていた。テーブルの上には俺の好きな料理とケーキが置いてあった。そしてその近くには待ち疲れたのか、臨也が机に突っ伏していた。
「おい、臨也…?」
俺の呼び掛けに、うーん…と唸ったあとに目を開けパチパチし出した。
「…しずちゃん?」
「あ?そうだ」
俺だと認識した臨也はにこーっと笑ったあと、11時59分を指している時計を確認し
「おめでとう、静ちゃん。言うの間に合った」
えへへなんて言ってやがる。くそっ、かわいいな。
「食べてくるって言ってたけど一応作ったの。明日にでも食べて?」
「お、おう」
もしかしたら、なんて淡い期待を持って臨也は待ってたなんて考えると本当に悪いことをした。
「悪い、誕生日だったの忘れてて」
「いいよ、俺がもっと早くから予定聞いてればよかったし。それでね?誕生日プレゼントなんだけど何が欲しいかなって悩んだんだけど思い付かなくてね…俺でいいかな?」
「…むしろ手前が一番のプレゼントだ」
そう言えば臨也の顔は真っ赤に染まり上がった。そのまま臨也の手をひいて寝室へと向かう。臨也をベッドに押し倒せば、ムクッと起き上がった。
「静ちゃんの誕生日だから今日は俺がする」
「まじか…?」
臨也は真っ赤なまま頷いた。くそかわいい、誕生日とか最高じゃないか。臨也に手をひかれてベッドに押し倒される。腹の上に臨也が跨がる。だんだん近付いてきて唇が塞がれる。ちゅっちゅっと啄むキスだったから、焦れったくてこっちから舌を捩じ込んだ。
「んっ、ふぁ…ちょ、しずちゃ」
「あ?んだよ?」
「今日は、俺が、するって…!」
「手前、焦れったいんだよ」
「ふ、ぁんっ…」
キスしたまま服の裾から手を入れた。吸い付くような肌を触りながら上へと上っていけば、尖りを見つけた。ツンと触れてみれば体が面白いぐらい跳ね上がった。
「いや、あっ、ん」
「何が嫌なんだよ?こっちだって勃ってんぞ」
右手は乳首を弄ったまま、左手を臨也の自身へと伸ばす。触れば緩く勃ち上がっており、俺が擦り上げればどんどん育っていきズボンの中で窮屈そうにしている。
「やっ、んぁ、も、しずちゃ」
「ズボン脱ぐか?脱がないと染みになんぞ」
臨也の返事を聞く前にベルトをゆるめ、ズボンとパンツを一緒に脱がす。中から勢いよく反り返ったものが出てくる。
「とりあえず、一回イッとくか」
自身を上下へと擦り上げれば質量は増していった。
「ひゃ、ぁっ、ん……も、イく…やぁあっ…あああああっ」
臨也の叫び声と共に白濁が俺の手へとかかった。はあはあと肩で息をする臨也からキッと睨みを効かされた。まぁ、涙目の今の状態じゃ誘われていると勘違いしてもしょうがないだろ。
「俺がやるって、言った、のに!」
「だって手前焦れったいんだよ?それとも焦らしてんのか?」
「ち、違うし!こっからは俺がやるから手出さないでよ!?」
「あーわかったわかった。焦らすなよ」
「焦らさないし」
そう言った臨也は腹から少し下がり俺のスボンを下ろしにかかった。下着と一緒に下ろしたそこには、元気になっている息子さんがいる。そりゃあんな姿の臨也を見りゃ元気にでもなるだろう。
俺のを見て一瞬怯んだ臨也だっただが躊躇いもなく口に含んだ。相変わらず口んなかも気持ちいい。アイスキャンディを舐めるようにしたり口に含んだりしたりしている。口に含もうとして入り切らなかった部分は手で擦り上げていた。
「ひむしゃん、ひもきいい?」
「ああ、気持ちいいぜ」
臨也はじゅっぽじゅぽと音を立てながらラストスパートをかけだした。ああ、まじ気持ちいい
「出すぞ」
そう言い、臨也の口から出して顔にかけた。臨也の顔面が俺の精液まみれになる。そのことに興奮し、俺の息子は少し勃ち上がった。やっぱり顔射はロマンだよな、なんて思ってたら臨也が噎せていた。
「お、ほっ…うっ、…」
「悪い、大丈夫か?」
「…誕生日だから特別だよ?」
臨也はめったに顔射させてくれない。青臭いのが広がるのが嫌だとか言ってた。
臨也の後孔へ手を伸ばそうとすれば、ペチンと叩かれる。
「俺がやるって言ったでしょ?」
言った臨也は自分の指を舐め、唾液たっぷりになったそれを自分の後孔へと伸ばした。最初は苦痛な表情を浮かべていた臨也だが慣れてきたのか恍惚な表情を浮かべ出した。エロいな、このやろ。手出すなとか無理だろ。
一本だった指が二本三本と増えていくにつれて臨也の喘ぎがはっきりしたものになる。それでも前立腺を避けているのだろう。焦れったくなって俺の指も差し込む。
「あ、ちょ、しずちゃ、んふ、太い、よああ、っあ…」
しっとりしていてきゅうきゅうと締め付けてくる。こんなとこに入れたら速攻イケる気がする。
前立腺を目指して指を進めていけば目当てのものが見つかり、掠める。
「いやあああ!!!んぁ、しず、ああ…んっ」
何回も掠めれば臨也は狂ったように喘ぐ。
「も、もう、欲しい!静ちゃんの欲しいよ、ちょうだい、ああ…んぁっ」
指を抜いて代わりに俺のを後孔に宛てる。
「入れるぞ?」
「ふぅ、んっ!まって!俺が、入れるからっ」
そうして臨也は起き上がり再び俺に跨がり後孔に俺のを宛がった。
「あ、んっ、入ってくる、よぉ」
ズプププとだんだんに入っていく。視覚から犯されている気分になり興奮する。
「あ、あっあぁ、全部入っ、たよ」
「そうだな」
「静ちゃん、静ちゃん!生まれてきてくれてありがとうね!好きだよ」
なんてこと言いやがるんだよ、泣けるじゃないか。生まれてきてくれてありがとうなんて初めて言われた。ずっと俺はいらない存在だと思ってたから。臨也に必要とされている。
「俺も好きだ、愛してるよ」
臨也が幸せそうな顔をして微笑む。最高に綺麗だと思う。
「さて、動くぞ」
「んぁ!ふん、ああ…」
下から突き上げれば離したくないと後孔が俺を締め付ける。我慢出来ず、ピストンが速くなる。
「しずちゃ、も、イく…イッちゃうよおおお」
「俺もだ」
「ああああああっ!」
「…っ」
ラストスパートをかけ、臨也がイッたあとにその締め付けで俺がイッた。
そのままずるずる何回戦も挑んだら、次の日臨也に睨まれた。
「最低」
「誘ったのは手前だろうが」
「うっ…そうだけど」
「じゃあ、自分を責めろ」
「くそっ」
「……」
「…来年こそは一緒に祝わせてよね」
「あ?」
「聞こえなかったならいい」
「…バーカ、聞こえてる」
「だったら聞き返さないでよ」
「俺が手前の言葉、聞き逃すかよ」
臨也の顔がボッと染まった。ああ、この可愛い恋人のためなら来年だって再来年だって俺の誕生日は手前に捧げるよ。
(なにかっこつけてんの?しょっちゅう聞き逃すくせに)
(ああ?誰がかっこつけてんだよ?その言葉で顔赤くしたの誰だ?)
(なに、ケンカ売ってんの?)
(望むところだよ)