四月バカ








4月1日
日付が変わると同時に臨也は現れて

「静ちゃんなんて大嫌い」

そう言い、臨也は俺の前から走り去った。
なんなんだあいつは、臨也が俺の事嫌いなんて当の昔から知ってるんだからわざわざ言いに来なくてもいいのに。俺の気持ちも少しは考えろよな、手前を好きな俺の気持ちを。まぁ、臨也は俺の気持ちなんて知るわけがないから仕方ないんだが。

俺はこのモヤモヤを晴らすために新羅の家へと向かう。時間なんて関係ない。

インターホンを連打すれば、中から眠そうな新羅の声がした。

「はいはーい、なんだ静雄じゃないかどうしたの?つか、インターホン連打するのやめてくれないかな?君の怪力じゃこわれちゃうでしょ。まぁ、いいや上がって」

俺は素直に上がらせてもらった。

「で、こんな時間になんのようなの?」

俺はさっきあった出来事を大雑把に説明した。そしたら、新羅の顔がニヤニヤし始めた。

「そうかそうか。静雄、今日が何月何日かわかるかい?」

「4月1日だろ?それがどうした?」

「まさか知らないとか言わないよね?今日は四月バカ、エイプリルフールだよ。嘘をついてもいい日なんだよ」

新羅はそう俺に説明してくれた。そうなのか、そんな日があるとは知らなかった。

「そ!だから、臨也が言った言葉も逆になるの?」

逆になる……?大嫌いの逆は大好き?

「つか、臨也は毎年この日になると静雄に嫌いって言ってたよね」

新羅はクスクス笑っていた。と言うことは俺等はもっと前から両思いだってことなのか?

「ちょっと臨也んとこ行ってくる」

「はいはい、行ってらっしゃい」


日付が変わる前に言ってやるよ、手前が¨大嫌い¨だってな






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