官兵衛と鍵 | ナノ






BASARA(??×官兵衛)


関ヶ原で西軍が負けたと耳にしてから幾日か経ったある日、穴蔵に一つの鍵が届いた。その見覚えのある鍵を手にのせて官兵衛は首を傾げた。どうしてか、これがなんの鍵なのか思い出せない。官兵衛は考えた。考えて考えて一日、二日、そして三日経った。そして、ようやく自身の手元の鍵が何なのか潔く思い出した。
それは官兵衛が自由になる為の鍵だった。
すっきりと思い出した官兵衛はふいに鍵がこんな所に届いた理由に気が付いて悲しくなった。


「馬鹿、なんで鍵だけなんだよ」


小さく吐き出された言葉を向ける相手はもうどこにもおらず、ただ虚しく穴蔵の中で誰にも聞かれずに消えていった。


(最後だけ優しくなんてしないでくれ)
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