午前六時の会話 | ナノ






 ――もしもし?

 ……ううん、大丈夫だよ、起きてた。ただ、そっちから電話を掛けてくるのは珍しいなと思って。元気? 皆とはうまくやってる? ……そう、良かった。もう無茶な練習はしてないよね? ……え? あぁ、違うよ、ごめんごめん。分かってるよ。……うん、そっか、安心したよ。
 ねえ、今度はいつ帰ってくるの? 母さんも姉さんもとても楽しみにしてるんだ。僕もとっておきの手料理を振る舞ってあげるよ。…………ごめん、冗談だよ。そんなに怒らなくてもいいじゃないか。ごめんって……これだから、ついからかいたくなっちゃうんだよ。でも、帰ってくるのを待ってるのは本当。たまに帰って来てもすぐまた学校に戻っちゃうんだから。久しぶりに家族水入らずでゆっくりしたいじゃない。…………え、本当? うん、うん――うん分かった、母さんに伝えておくね。楽しみにしてるよ。
 それから…………え? あ、そうか、そうだね。うん。僕もそろそろ支度しなきゃいけない。ありがとう、少しだけど話せて楽しかったよ。でも急にどうしたんだい? いつもなら家に掛けてくるのに、携帯に直接なんて。つい余計な話をしちゃったけど、何か用事があったんだよね? ……ごめん、ちょっと声、小さいや、聞こえない。……怒らないでよ、今度はちゃんと聞くからさ…………うん。
 ――――え?
 あ、そうだね……うん、そうか。それでわざわざ電話してくれたんだ……
……うん……嬉しいな、兄想いの弟を持って僕は幸せだよ。……冗談じゃないって、本当のことだよ。あはは。……いや、だから本当だって。
 それじゃあまた。土曜日、楽しみにしてるね。

 ――ありがとう、裕太。










午前六時の会話










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不二兄弟好きの某方へ、サイト開設祝い。
不二(周助)の誕生日は四年に一度しか来ないなんていうけど、そうじゃなくて、一年に四分の一だけ存在するのではないかな。
時間にすると三月一日の午前六時まで。

2011.3.1.

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