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私が一度ぶっ倒れてからというもの、テニス部員が少し優しくなった気がする。
気を使って重いものを運んでくれたり、ドリンクを分けてくれたり。
比較的仲の良かった切原君なんかは『お前も人の子だったんだな』と失礼なことを言い、少し手伝ってくれるようになった。
そんな中迫るテストに、頭を悩ませつつ。
「浅見、お前テスト勉強どーすんだよい」
休憩時間にボールを拾っていたら、隣で一緒にボール拾いをしてくれていた丸井先輩が声をかけてきた。
質問の内容に一瞬驚いて、思わずボールを落とす。
「え、ああ…。べつに、普通に家で勉強しますけど」
「何でそんなビックリしてんだ、お前」
正直に丸井先輩の口からテスト勉強という言葉が出てきたことに驚いたと言えば、ラケットで軽く頭を叩かれた。
テスト前に止めてほしい、脳細胞が死ぬ。
「テニス部の奴らで集まって勉強会すんだけど、お前もこねえかと思って」
「因みにメンバー聞いてもいいですかね」
メンバーが、結構な人数だった。
今のところ三年で三人、二年で七人、一年で二人。合計12人。
OKを出せば、ここに私と姉が加わるらしい。
「じゃあ、参加で。姉にも確認してきますけど、いいですか?」
丸井先輩はどうやら姉に好意を持っているらしい。
直接聞きに行くと言いそうだから確認をとると、じゃあ頼むの一言に驚く。
丸井先輩が言うより私が言った方が参加する確立は高いだろうから、それを狙ってのことかもしれないが。
早速姉に勉強会のことを言えば、一発でOKをもらえた。
密かに喜んでいるのが数名見受けられる。
我が姉ながら結構モテるな、なんて思った。
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