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「そういえばさ、仁王君とどーなったの?」

もっそもっそと友達とお弁当を食べている時に不意打ちの質問。
危うく喉に詰まりかけて、慌ててお茶に手を伸ばす。

「食べてる時にいきなりその内容はやめよーよ、危うく喉詰まるとこだったじゃん」
「いや、この前放課後に話してからその後のことを聞いてないなあと思って。付き合ってんの?」

今度は口をつけていたお茶を噴出しそうになった。
何この子、私に恥かかせたいんですか。恨みでもありますか。

「な、んで付き合うとかそういうことになるのさ」
「だって仁王君のこと好きなんでしょ?」

言葉に詰まった。
嫌いじゃない。嫌いじゃないよ。好きなんだろうなあとは思う。
だけど、それはまた別問題。

「当然この間告白してきたのかと思ってたんだけど。…どーなの?」
「…別に、普通に話しただけ」
「はあ?!」

思い切り呆れた顔をされた。そして溜め息のあとに『馬鹿じゃない』の一言。

「仁王君は?仁王君から告白とか、されなかったの?」
「え、されてない」

だって仁王って他に好きな人がいるんじゃないのか。
そうボンヤリ思ってたら、友達が深ーーい溜め息を吐いた。
何でそんなに疲れた顔してんですか。

「いつまでも進展しない二人よねー。先が思いやられるわ」
「え、何。何が?」

首を傾げてたら、額をペチンと叩かれた。

「ニブいにも程があるっていうのよ。ねえ、それワザと?」
「何がニブいのさ、失礼だなー」

前に丸井にも鈍感とか言われたけど、なんで皆してそんなにニブいとか言うかな。
そこまでニブいつもりはないんだけど。

「恋愛に関しては完璧な鈍感ってこと。仁王君の好きな子、わかんないの?」
「え、知ってんの?」

教えてよとばかりに近寄ったら、痛いデコピンをされました。
地味に痛いんだよね、この子のデコピン。

「教えなぁーい。仁王君に直接聞けばいいでしょ」
「聞けたら苦労しないんだけど」
「どこ苦労してんのよ」

そういった友達に本当に呆れたような視線をいただきました。
最近友達の私に対する態度が冷たすぎる気がするんだけど。





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