04




翌日。
学校へ行って、友人のよっちゃんに昨日の出来事を話せば。

「は?え、うっそ!」

という反応が返ってきた。
しかも随分と驚いた顔をして、机に両手を突いてズイと身を乗り出して。

「え、何でそんなにビックリしてんのさ」
「その仁王君の連絡先とか、聞いたの?メアド交換とか、」

興奮した様子のよっちゃん。
対する私は、ただキョトンとするだけだ。
何をそんなに驚いているのかが分からない。

「え、あー。そういえば、聞いてない」
「あーもー!バッカ!薫のマヌケー!折角のチャンスを無下にしたっての?!」

随分と酷い言われようだ。バカとかマヌケとか。
ていうか、チャンスって何の?

「仁王君て言えば、あの立海大附属中のテニス部レギュラーで銀髪の!」
「え、私そこまで教えてないよね?」

言っても居ないのに、どうして彼女はそこまで知っているのだろうか。
それより、私が知らない情報まである。

「あんたねー、有名よ?立海大附属のテニス部って言えば強豪じゃない。そこのレギュラーなんだから、それこそ強いわよ。それにそこのレギュラー、美形揃いで有名だし」

驚いた。彼は、そんなにも有名な人だったのか。
確かに美形ではあったけれど。

「全然知らなかった」
「あーあ、本当に勿体無い…」

力を失ったかのように机に伏せたよっちゃんが、何かをブツブツ呟きだした。
ヤバい人みたいだからそれやめてください。

「まあ、2度あることは3度あるって言うし。また会うかもしれないでしょ」
「確立低いじゃーん…。それに何時よ、それって」

中学生の彼を狙っているとでも言うのだろうか、この子。




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