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「…」
「なぁ、」
「何?」
「ブサイクだぜ」
「…悪かったわね。元からよ」
「違うよ、俺だからだろ?」
「へ?」
「兄サマの代わりに俺がいるからスネてんだろ?」
「ち、ちがうよ」
「しかたないだろ兄サマは、「わかってる!」
「…」
「わかってるよ…」



嘘つき、今の私のどこに物分かりのいい心の広さがあるだろう


かれこれ三週間だ。連絡がとれず音沙汰のない瀬人が恋しくて、会いたくて、思いきって海馬コーポレーションに来てみたものの待ちぼうけをくらうばかりで、来てから五時間。会うどころかまだ一目も見ることなくこのざまだ。



「私が来てること知ってるの?」
「知らないと思うぜ」
「…もう帰る」
「おい、ナマエ」
「アポを取らなかった私が悪かった。けど連絡しても一方通行なんだもん、こうするしかなかったの」


でもこんなのってあんまりだよ



泣いてしまいそうになって息をとめる。泣くもんか、謝ってくるまでは絶対会わない、そう決意し立ち上がると腕をつかまれる

「帰っちゃだめだぜ」
「ごめんもう私決めたから」
「兄サマ口には出さないけどきっと会いたくてたまらないはずだぜ?」
「…」
「ナマエ、兄サマの疲れを吹っ飛ばしてよ」
「…どうやって、」
「とっておきの秘策がある」

知りたいかと問われ私の決意は折れてしまった。



〜〜〜



これのどこが秘策だ。

ため息をついてみたが正直言うと…本当に正直に言うと少しわくわくしている


モクバの秘策は瀬人が私室に戻ってきた時隠れて待っていた私が飛び出るというもので、悩みに悩んだ末、私はクローゼットに隠れる事になった

(「兄サマは帰ってきたらまず先に着替えるからクローゼットに近付いてきたら飛び付くんだ。思いっきりいけばきっと兄サマの疲れは吹っ飛ぶハズだぜ!」)


瀬人の驚いた顔などそうそう見れるものではない。今か今かと息をひそめていたら乱暴にドアが開いた


「……」


脱いだ上着を放り投げ、荒々しく椅子に座る彼の姿は疲れきっていて覗いているこっちがつらくなってしまう

(お仕事おつかれさま…)


目をこらして見ているが立ち上がる気配はない。サイドテーブルから引きだしたガラス板が机に置かれる


(あれって…!)

唯一撮ったツーショットの写真。ガラス板を指先で撫でる瀬人に愛しさが込み上げてくる。


今すぐだきしめたい、やっぱり帰らないで本当に良かった、好き、瀬人が大好き!


感激に踊りたくなるような衝動。グッとこらえ緩んだ顔のまま再び彼に視線を戻すと信じられない光景が飛び込んできた


(…?…何し、…!!)


腰だけを浮かし性急にベルトをはずしズボンをおろす。見開いた目に、膨らんだ瀬人の股間が映る

「…」
「…」

静かに息を吐き終え、ゆっくりと引っ張り出された彼の自身。まじまじと見るのははじめての事で思わず息をのんだ



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