ふたりぼっちの巣箱
エリーゼ・ダイアリー
わたしよりかなしい顔をするのはどうして
シングルベッド・プレビュー
ブロンズに恋する少女
冷たい睫毛にも、棘のない薔薇にも
わたしにはあなたの声だけ注ぎ込んで
やくそくの化石
ずうっと、ずっと、ずっとよ
グッナイ・アンコール
Jul 1,2013
神さまの失敗作
わたしの弱さを知るあなたならば
早生まれの蝉が鳴いてる
グラデーション・オレンジジュース
きっと、きっとね
半透明の蛍
目映い横顔で充分だった
２１秒の指切り
千歳の海より
あなたが慈しんだ花たちでわたしの棺を満たしておくれ
Jun 18,2013
獣が吠えるように呼んでおくれ
骨拾いの夜道
ただ目を閉じて、下りてくる唇だけ
何故、わたしは嘘をつくのですか
歪の爪
あなたのために終われ
フィクション・バージン
神の名をお忘れでしょうか
あなたのその目もその耳もわたしが塞ぐの
殉愛
Apr 27,2013
いずれ、緑もあわく煙る
落ちた影、冷えた指先、そんなことばかり思う
ひかり溢れるあなたよ
蕾やわらかな午後には
はにかむあなたは春を忘れた
さあ、お別れだ
この瞳があなた以外を知るのなら
いつかまた、はじめましてのシーンから
燻る熱もあの花も、もうどこにもないだろう
かげろうの雪
Apr 16,2013
やわらかな部分が×を欲す
愛し尽くした患者
魚が叫んだ言葉たち
幸福に過ぎた時間がブルーシネマで繰り返してる
蝶々を追う足
いつかまたあなたの隣で眠れる日々を
湖底の泥
さようならもまた愛し
地下室の日溜まり
あなたのいた部屋は、今こんなにも息苦しい
Dec 9,2012
XXとXYとパレード
ポケットを出たら魚になれない
あなたのキスはわたしが教えた
狼の晩餐
３５℃と熱射病
プレイルームまで迎えに来て
乞うてはかなし
孤独に沿ったきれいな背骨
あなたの産声でまた花に帰る
彼女はわたしを世界一惨めにするのです
Nov 27,2012