た ち つ て と



「誰にも咎められることなく義務を放棄して自由に生きられればこんな素敵な事ってないじゃない、ってそう思ったのだけれどそれって結局は誰の幸せにもならないから、だからそう思うだけ」
20130207

ちっとも嬉しいだとかそういった風に思わないその理由は簡単で愛してないし興味の対象でもないと、たったそれだけのことであるというのになんだってその程度の宣告を受け止めることが出来ないのだろうね。ずっと側に居てくれるだろうなんて寝言言ってないで現実見ろよ。悪いけど期待外れだ。
20130212

辛いことばかりなので死のうと思いまして、縄に首を掛けるまでは良いのですがいつも誰かがちょきん、とそれを切り落としてしまうのです。「誰だよう、頼むから死なせてくれよう」「死なないでくれよう、頼むから生きてくれよう」ふと聴こえた声に見上げた視界に映ったのは、鋏を握った私の右手でした。
20130215

手を伸ばした先に細い紐がある、ぴんと張ったそれは天井に繋がっていて下には重りがついていた。つまりは電気の紐スイッチに限りなく近い、これを引っ張ると何が消えるのかしらと想像を膨らませてみる。世界にオヤスミ、なんてスイッチひとつで言えたりして、「起きないと遅刻するよ」「はァい」
20130220

扉の向こうになにかが息衝いているような気がして湯気に濡れた磨りガラスを一枚挟んだ先の暗闇に潜む恐怖、開けれど振り向けど当然なにが出る訳もなく風圧で音の立ったリビングへのドアに一瞬体を震わせて階段を駆け上がる。(あゝ良かった、)と一息つきながら自室の扉を開けて一歩中
20130227

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