※沖田総悟 (切)



「ずっと思ってたんだけどさ。沖田もしかして……あたしの気持ち知ってんの?」

学校の屋上。澄みきった空の下、俺に唐突にそう尋ねた名無し。スカートのまま胡座なんてかくものだから、さっきから裾がヒラヒラ捲れて目に毒だ。

「お前、パンツ見えそう」

「だーかーらー!あたしの質問に答えなさいよ!」

この前銀八にスカート丈指摘された時は、真っ赤になって裾押さえてたくせに。

「そんなんだからすぐバレんでさァ、お前の気持ち。単純すぎなんでィ」

「はあ!?」

意味わかんないんだけど!と、なおも憤慨する名無しをよそに、自販で買ったパックのイチゴミルクをすする。げっ、甘っ。こんなん好んで飲んでる男のどこが良いんだか。

「じゃあさ、コレ」

提出しそびれた現国の課題プリントをポケットから取りだして、名無しに押し付ける。

「俺の代わりに出しといてくだせェ。俺はこの後、土方ヤりに行かなきゃならねぇんで」

プリントを手にした名無しは少し頬を染めた。

「お、沖田も……好きな子できたら言ってよね!……協力する」

それだけ一気に口にすると、名無しは俺のプリントを持って走り去った。

「ばーか、テメーだっつーの」

いや、バカは俺か。一人残された屋上で哀れな自分を小さく笑った。


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