※坂田銀時 (微鬼畜微裏)
「そしたら神楽が腹痛いって言い出してさー……って、名無し聞いてる?」
ぼんやりと考え事をしていると、銀時がムッとしたような表情で私を覗き込んできた。
「え?ああ、聞いてる聞いてる。で、新八が腹壊してどうしたの?」
「嘘。聞いてないじゃん、腹壊したのは新八じゃなくて神楽」
「あー…、そうだったっけ?」
すると銀時はなおも眉間にシワをよせ、ぐっと私に近づいた。
「俺はね、名無しには俺の話、10割全部聞いててほしいの」
いい歳したオトナのくせに、上目遣いでそんな可愛いことを言うもんだから。
「それは無理だなー…」
ちょっと苛めてみたくなった。
「あのね銀時。有名な心理学者が言うには、人間はいくら一生懸命になっても3割しか話を聞けないんだって」
「………………?」
「あとの7割はね、こうやって……」
伸ばした腕が柔らかい銀髪を引き寄せる。
「見たり、時には触れたり、感じたり」
ここで、キスをひとつ。彼の歯列を舌でなぞれば広がるのは甘いイチゴの香り。
「うわ、あっまー!イチゴミルク!」
思い切り顔をしかめてやれば、銀時は弾かれたように私を抱き締めた。
「なにお前可愛いこと言ってんの」
耳元に低い声が落ちてくる。
「アンタもなに言ってんの。名無しちゃんはいつでも可愛いでしょ?……って、ちょっと」
首に舌を這わせながら、そのまま私の服を脱がしにかかる銀時。ったく、これだから万年発情期は。
「昼間っから盛るな、このクサレ天パ」
ぴったりとくっついた胸板を押し返そうと手を伸ばすが、それは叶わない。
「俺の話、五感全部で感じてくれんだろ?」
ニヤリと笑う彼の目は、もうサディストそのもので。
「ほら、わかったら黙って股開け」
中指を舐めながら私を見下ろす銀時に、私は敗北を覚悟した。