僕がライバル!?


――僕の胸の内にそんな願望がなかったと言ったら嘘になるのでしょう。

あなたの前で素直にこの気持ちを告げられれば、なんて甘い願望。

しかし、だ。

僕自身、が恋敵になるだなんて誰が想像したでしょうか。








*僕がライバル!?*








「古泉くんってさ、好きな人とかいるの?」

「は、い……?」

突然涼宮さんから質問をされ、つい焦ってしまう僕。

だって。

ここはSOS団の部室で、団員全員が揃っていて。

全員がいる、という事は、僕の想い人である彼だってすぐ横にいる訳で。

「ははーん……いるのね、古泉くん?」

僕の動揺の色を感じ取ったのだろう涼宮さんは、にやりと笑いながら僕に近付いて来る。

「ふえぇっ、古泉くん、好きな方がいらっしゃるんですかぁ……?」

「……興味深い」

どうやら女子というものは所謂恋バナが好きらしい、とは知っていましたが、涼宮さんがこんな話題を振るのは正直驚きでした。

しかも、朝比奈さんや長門さんまで話題に乗ってますし。

でも、彼は僕のこんな話なんか興味ないですよね、きっと。

……と、冷静になろうとしていたのですが。

「……で、どうなんだ古泉?」

ああ、何時もになく真剣な表情をした彼はなんと格好良いのでしょう……ではなくて!

何故あなたまで興味津々なんですか、もう!

「い、いませんよそんなの!」

思わずぽろりと出てしまった嘘。
しかし明らかに僕の様子がおかしいのに気付いているのだろう、彼はじとーっ、と僕を見たままだ。

そ、そんなに見られると恥ずかしいですよ……
僕はその視線から逃げるように顔を背けた。

長門さんは黙ったままで、朝比奈さんは「そ、そうなんですかぁ……?」と混乱中。

そういうあなたはどうなんですか、話を振れば、面白いくらいに赤面する彼。ああ、可愛らしいです。

朝比奈さんや長門さんもそっちの話題に気が逸れた様で、好きな人の前で片想い話をする事だけは回避できた。

が。

しかし、その時の僕はそれに気付いていなかったのだ。

「ふうん……?」

涼宮さんは何処か納得が行かない様子であった事に。








__________

2010.2.21

某りぼん少女漫画パロ。
漫画整理してたら懐かしくなって、つい連載始めてしまいましたw
元ネタ分からなくても読めるようになってます。
というか設定借りただけな気が←






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