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人間とエルフ。
人口比率は遥かに人間が多い。
数の前では圧倒的に有利。
だが、エルフの魔法の前では歯が立たない。
剣、弓、銃、どんな武器を用いても魔法に覆されてしまう。
人間には、数の暴力しか残っていないのだ。
どちらが世界に居座るのか、存亡を賭けた戦い。
人間とエルフが交わる事は決してない。細胞学的にそう断言された。人間とエルフの間に子供は出来ない。故にハーフは生まれない。相容れない存在。互いに未知の生命体。
それでいてどうして、仲良く出来ると言うのだろうか。
自分と違うモノというのは恐ろしい。関わりたくない。だが、侵略もされたくない。
どちらかが勝てば、どちらかが滅亡の一途を辿る。
人間とエルフが和平を結ぶことは、もうない。あるとするならば、種族の壁を越え、交わった時だけだろう。
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