放課後。ざわつく校舎。穏やかな光が窓から射し込む。君と僕以外の誰も居ない教室で。

机をひとつ挟み、佐助と政宗は向かい合っていた。
政宗は今度の生徒会で使う資料を纏めていた。ぱちん、ぱちん、とホチキスの小気味良い音に耳を傾け佐助はその手際の良い作業風景をじっと見ている。
頬杖をつきながら佐助はふいに問い掛けてみた。

「伊達ちゃーん」
「Ah?」
「好きって言ってよ」
「No.」

見事に玉砕した。

「ねえ、言ってよ」
「一生言わねえよ」
「つれないなァ」
「………」

2人の間に暫くの沈黙が流れる。
それから政宗は聞こえよがしに溜め息をつき、グイッと佐助の胸倉を掴み上げた。政宗に胸元を引き寄せられた佐助の視界には、政宗の顔が一杯に広がった。プリントが宙に舞う。

「う、わわっ?」

徐々に顔が近付いていった後で、数秒間唇と唇が重なる。それが離れると、また沈黙が訪れた。

「………」
「素直じゃないねー」
「態度で示した。これで満足かよ」
「舌は入れないんだね」
「俺、アンタのそういう所大嫌いだ」
「へぇ?俺様はアンタのそういう所大好きだよ」
「……むかつく」
「ついでに言ってよ。好きって」
「調子乗んな」
「本当、可愛いねえ」
「むかつく、アンタ本当にむかつく」

「そんな暇あるんなら手伝えよ」と悪態をつきながら政宗は床に落ちたプリントを拾い始める。

(耳は真っ赤になっている事、気付いてないのかなあ)

佐助の口元は自然と綻んだ。

り。



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