ツイッターでのお題を元にしたss集です
CPはごちゃまぜ

『おさえた首元』
動物じみた動きだった。犯人である静雄は素早い身のこなしで離れ、その唇を笑みの形に歪める。杏里は呆然と違和感の残る首元をおさえた。頬が熱い。
「この間渡したマフラー、あったよな」
その唇は語る。鏡を見ずとも理解した。未だ熱を灯した首筋を、嘲笑うように吹き抜ける旋風が撫でていった。

『頬に爪を立てる』
「皮膚部分はちゃんと暖かいのね」
抱き上げた女は言う。細い指先を感じながらジェノスは僅かに上にある三白眼を見つめた。
「爪を立てる必要はないだろう」
タツマキは片眉を下げる。つまらなさそうなその表情にジェノスは片手で白い手を掴んだ。暖かい、と言うと桃色の唇が寂しげに引き結ばれた。

『一緒に帰ろう』
小ぶりな角が覗く頭にぽんと手のひらを乗せる。すると跳ねるように上がった瞳が驚きの色を湛えているものだから、鬼灯は思わず笑ってしまった。
傍らで揺れる桃色の袖を摘む。下にある手は掴めないための仕草に、彼女はおずおずと右手を上げる。その小さな感触を包み込みながら、一歩を踏み出した。

『何を今更、』
押し倒されて気付いたのだが白澤は意外にも均整の取れた体格をしている。長めの腕の先に縫い止められた手は動く気配を見せず、伏せていた瞼を上げた。彼は変わらずにいる。
「あの、やっぱりやめには、」
耳飾りの赤い紐が揺れる。にっこりと向けられる笑顔。ですよね、と、マキは静かに目を閉じた。



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