「こんちわ!ぼくポケモン…!…ちゃうわい!わいはマサキ!人呼んでポケモンマニアや!あッ!なんやその目は?あんさん信用してへんな!?ホントやで!実験に失敗してポケモンとくっついてもうたんや」
わいがまくし立てるようにそう言うたら、目ぇ丸くしながら若干後ずさりよった。目の前の少年は、レッド、て名乗った。
「なッ!助けてくれへん?」
わいがそう言うのと同時くらいに凄い早さで扉近くまで引きよったその子を必死に引き留める。
「そんなあ…!冷たいこと言わんといてー!よッ!色男!にくいねえーッ大統領!ほな!オッケーやな!」
まあ今のわいはその子の都合とか構ってられへん状態やったから半ば無理矢理話を進めてとりあえず分離機械の中にはいる。その子、レッドは暫く戸惑っとったけど、恐る恐るパソコンの方に近づいてったからひとまず安心やろう。

テンテンテロリーン(いや、呑気な音やとか言わんとってや!)とりあえずようやくピッピから解放されたぼくは一息吐いてからドアを開けた。
「いやーおおきにおおきに助かったわ!」
わいが出てったらレッドはおおって小さく感嘆の声をあげてから、もう一回後ずさりよった。まあ助けてもらったことやし気にせんとくけど。
「で、あんさんわいのポケモンコレクション見に来たのちゃうんか?なんやおもろないなー…あ!そうや、お礼っちゅーのもなんやけど、これやるわ!」
どうもわいの喋りがテンポ早すぎるんやろな。(カントーでは忙しないとか言われなれた言葉やし)レッドはどんどんどんどんわいから離れてって…まあ言うたら悪いけど、おもろかった。
「そない警戒せんでもええって!な!あんさんもそんぐらいの年やったら興味あるやろ?船や!でえっかい船!」
きらりとレッドの目が期待に光る。子供っちゅーんも単純でなかなか可愛いもんや、なんて笑いながらレッドの手ぇにサント・アンヌ号のチケットを握らせて笑顔でなっ?と念を押すと、少し警戒を解いたみたいでそろそろと手の中の紙を見て
「ありがと……」
って返した。
「ええよええよ!こっちこそおおきに!」
わいの言葉にこてんと首を傾げつつ(多分コガネ弁わからんねやろな)バックにチケットを突っ込んで、代わりに赤い箱みたいな機械を取り出した。
「……えと、ポケモン」
「…ああ!図鑑や!ポケモン図鑑!オーキド博士の!」
確か少し前に来た自信家の少年もわいのパソコン、あの図鑑片手にいじっとったな、と思い出しながらレッドから受け止ってわいの研究データを入れたった。

「ん、出来たで?」
「…ありがとう」
今度こそ、とでも言うようにガシッとドアノブを掴んだレッドを見て苦笑する。
「まあまたきいや」
「多分、来ない……」
「酷いなあ」
最後にドアを閉めるまえ、外から差し込む岬からの綺麗な夕陽を背負って小さく微笑んだレッドに見えたもんが王の輝きやったと知ったんはそれからそう遠ない未来やった。

異国語の男と未来の頂点


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話の筋が迷子。私の地元はコガネ弁です。


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