僕とレッドが初めて対峙したのは、ポッポと言われるポケモンだった。ばさばさと羽ばたく風圧で周りの草花が揺れ、その音に僕は(いや、多分自分に精一杯で気づかなかっただけでレッドも)驚いて体を固くさせた。
「…ポッポだ」
数秒の後、レッドがその見開いた瞳に似合わない落ち着きはらった声でそういった。
「フシギダネ、お願い」
そして後にそう続く。僕はハッとして身を乗り出した。

ポッポ自体はまだ生まれて間もないのか、もしくは戦いを好まない性格である彼らのことだ。普通に経験が浅いのかもしれない。結果僕はさほど苦労することもなくポッポを倒した。
「凄いね、強いね、」
ポッポが飛び返ったところから踵を返してレッドに歩み寄るとレッドは僕の頭を撫でながら笑顔で褒めてくれた。その時なんとなくポケモン達がトレーナーについて行く意味がわかった気がした。

「……あ、」
穏やかな空気の中に突然レッドの大きめの声が響いた。どうしたの?と一鳴きすると
「捕まえるの忘れてた」
と言って、まあまた次の子でいいよね、と自己完結してもう一度微笑んだ。

初めての緊張感

(その後レッドは何十回にも渡って同じ自己完結を繰り返すことになった)(この時のレッドは、まだバトルが好きだったんだ)


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初代の空飛び要因少なすぎる…ポッポ族は緑とかぶるからなあー


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