帰る場所
泣かないでって。
君は僕の肩に顔をうずめる。
変なの。
君の方が泣きそうなのに。
フワフワした髪が頬をくすぐり。
僕はなんだかほっとする。
この温もりが心地良い。
僕は僕で良いんだと思える瞬間。
ねぇ
君は今どんな顔をしているの?
髪を撫でながら心の中で聞いてみる。
返事はないけれど。
変わりに鼻をすする小さな音。
なんだ。
やっぱり君が泣いてるじゃないか。
少し笑って「ありがとう」と口にする。
君は一層鼻をすすって。
僕を優しく抱き寄せた。
ありがとう
君がいたから僕がいる。
ありがとう
僕がいたから君がいる。
ありがとう
二人がいたからここにいる。
†end
Poem