と籠ノ鳥




蝶や華で包まれた
艶やかな布を身に纏い

銀の簪を小指でなぞる



かごめかごめ

籠の中の鳥よ



私は何時になったら
あの人に逢えるのでしょう




毎日毎日
他の男に抱かれても



愛しい人よ


私は一時も
あなたを忘れた事がない





嗚呼

夜明が近付いて
私達の夜が来る




月よ
私の太陽よ


お願いだから

もう少しだけ私を
照らしておくれ



今日こそきっと
あの人が逢いに来るはず




月よ
私の太陽よ


この醜く汚れた躰を
その清らかな光で洗っておくれ



そうすればきっと
あの人が迎えに来るはず






格子越に手を伸ばす


そうすればこの手が
月に届きそうで



あなたの頬に

触れれそうで






伸ばした手に

絡めるように触れた指


顔を上げれば
私の太陽





さぁ

もう後戻りは赦されない







亀に乱れた愚かな鶴よ

鶴に魅入った愚かな亀よ






『後ろの正面だーれ?』






†end

Poem

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