call call



軽く姿勢を正して
目を閉じる


トクントクンと
心臓が緊張を伝える



いったいどれくらいの
テンポなんだろう


脳は嘘をついてるけど
心臓は正直




すぅっと軽く息を吸う



肺が心臓に話しかける

嘘をつくのも大切だよ、と




震える指で数字を紡ぐ

最後のボタンが
なかなか押せない



親指が言う

ここで逃げたら終わりだぞ




もう一度深呼吸をして
恐る恐るボタンを押す




耳元で聞こえてきたのは彼の声


一つも聞き逃さないように
気をつける



耳も緊張してるみたい




唇は優しく音を唱った

さすがは愛を囁く歌姫




少し裏声ね、と笑っているのは
二つの瞳



暇なのだろうか

我関せずといった風にフラフラと遊んでいる




足たちは大人しく
眠ってくれて


時々指たちが寝返りを打てば
膝の辺りがざわついた




歌姫が最後に
約束の詩(うた)を謡う


ボタンを押して
深い息を吐く



肺が心臓にまた何かを教える

もう緊張は終わったよ、と




よく頑張ったね
唇がにっこりと笑った



瞳たちは少し
拗ねてるみたい




大丈夫よ

次はみんなに
協力してもらうつもりだから





トクントクンとまた心臓が
緊張を伝えた





†end

Poem

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -