の苦労なんとやら




「あー、ホント。結構キツいな」

「せやなぁ」

「うおっ!?2人してンな所で何やってんだよ」

「あ。ギルや」

「いらっしゃーい」

「いらっしゃいって、酒まで持ち込んで。ここ、一応左右バスルームだぜ?」

「いやぁ。丁度イスあるし。寛ぐには持ってこいやなぁ思て」

「‥‥ま、確かに悪くねぇな」

「あらやだ。文句言った割に自分も寛ぐ気満々じゃない」

「うるせぇ。アントーニョ。俺様にもエールくれ」

「ほいよ」

「で。何の話してたんだよ?」

「んー?子供たちの話かな」

「あぁ。あいつらか。結構参ってるみたいだぜ」

「そうなんよ。ロヴィなんかは何や思い詰めとるみたいでなぁ。見ててかわいそなってくるわ」

「お兄様はフェリちゃんの影響が強いから。余計にかもしれねぇな」

「‥‥なぁ。前々から思っててんけど。その、"お兄様"ってやつ。止めてくれへん?」

「?何でだよ。お兄様はお兄様だろ?」

「いや。まぁ、そうやねんけど‥‥」

「可哀想と言えば。お兄さんルートも結構可哀想だと思うけど」

「あいつなぁ。見た目筋肉ムキムキなのに。中身は案外脆いからな」

「フェリちゃんと一番仲がいいのはあの子やし。その分辛いやろなぁ」

「俺様からしたらフランとこの。えっと‥‥誰だっけ?」

「あぁ、マシュー?」

「そうマシュー!あいつの方が心配だけどな」

「影薄やからか?」

「それもあるが。ってちげーよ」

「あんまり自分の内面を見せない子だからねぇ。1人で悩んでないかは心配かも」

「菊ちゃんなんかはそこら辺よく見えてるみたいやな」

「彼はほら。生きてる年数が長いから」

「あー。年寄りの余裕ってやつかー」

「そういう言い方すると。怒られそうだけどね」

「‥‥こう考えるとよぉ。俺たちって子煩悩だよな」

「親バカってやつやな!」

「お前が言うな。でも、欲目を引いても。みんないい子に育ってくれたよね」

「あぁ。ルートなんかは出来すぎなくらいだぜ」

「ギルが一番の子育て上手や言われてんのがムカつくけどな」

「ケセセ!もっと褒めろよお前ら!」

「あぁ、違う違う。こいつが子育て上手なんじゃなくて。もともとあの子が出来た子なの」

「おぉ!」

「おぉじゃねーよ!なに納得してんだよ!」

「うっせーなお前ら。こんな所で何してんだよ」

「お。役立たずのアーサー」

「あら。子育て失敗者じゃないの」

「全ては変な眉毛が原因やな」

「あァ!?お前ら上等じゃねーか!特にカリエド!テメーは真っ先に沈めてやるよ!」

「上等や!そのハナクソみたいな魔力で精々足掻みい!」

「わー。ちょっとギル。止めなくていいの?」

「メンドクセー。いざとなったら菊が止めに来るだろ」

「だよねぇ。それにしても、ここは平和だね」

「目の前は全然平和じゃねーけどな」

「下に比べれば。これだって平和じゃないの」

「まぁな。‥‥早く、この平和が本物になるといいな」

「あぁ。それまでは。目を離さないようにしてあげないと」

「全く、親ってのは疲れるぜ!」

「ホントホント。でも、そういうのも案外悪くないと思うよ」

「‥‥飲むか」

「‥‥そうだね」



(お二方とも何をなさっているのですか!?)

(き、菊‥っ!)

(ち、ちゃうねん菊ちゃん!こいつが先に吹っ掛けてきて!)

(ハァ!?お前が先だろ!)

(アァ!?何言うてんねん!)

(喧嘩両成敗ッ!!これ以上お騒ぎになるのでしたら。次の(薄い)本のネタになって頂きますよ?)

((…ごめんなさい))





†end

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