捲り遊戯




「ねぇ太子」

「んー?」


「俺と、ヤらない?」




放課後の生徒会室。


普段から生徒会の仕事をしない二人だが、時期のせいだろうか。

最近は特にやることがなく、来ては暇を弄んでいた。



今日もそんな感じでソファーに寝転んで漫画を読んでいたら。

さっきまで「暇暇」と連呼していた閻魔が、急にそんな事を言い出した。



「…は?」



当然の反応。

と言うよりも、そうとしか反応出来ない。



「だからー。暇潰ししよって、言ってんの」



そう言って。

まるでイタズラを思い付いた子供のように、八重歯をチラリと覗かせる。



「…何で暇潰しでお前とヤんなきゃいけないんだよ」



馬鹿馬鹿しくて。
視線を読み途中の漫画に戻す。



「何だよ太子も暇じゃないのかよ!」

「私、今漫画読んでるから」

「でもその巻昨日も読んでた」



う…


確かに、今読んでる巻は既に昨日読み終わってて、続きの巻は妹子が持っている。

そしてその肝心な妹子は今日は休み。

風邪を引いたとかなんとかで、借りることは不可能。つまりは暇。


でもだからって、閻魔とヤるなんてンなアホな。



「ってか何で私なんだよ。ヤりたいだけなら他にもいるだろ」

「俺、今鬼男くんにお預け食らってんの。だから溜まっちゃってさ」



ね、いいでしょ?

なんて。甘い声を出して、漫画をひょいっと取り上げる。




「大丈夫。ただの、暇潰しだから」




そう言って。


赤い舌が。

笑う唇を濡らした。







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