さに弱い俺と俺に弱い君




「暑いー‥」

「おい。引っ付くなジロー。余計暑いだろ」



アスファルトから立ち込める
太陽の熱を浴びながら。

俺はブンちゃんに寄り掛かって
ズルズルと歩く。


ちゃんと歩け、
と怒られたけど。

無理。暑すぎる。



「もー無理。ブンちゃん、アイス食べたい」

「勝手にコンビニにでも行ってこい。俺は帰るけどな」

「えー!?この薄情者ー!」



勝手に言ってろ、と
そっぽを向くブンちゃん。



酷い!

跡部とかオッシーだったら
直ぐアイス買ってくれるのに!

もういい
ブンちゃんなんか知らない!

別れてやる!



思い付いた言葉を
並べて騒いでいると。

隣から深い深い
溜め息が聞こえてきた。



「俺とお前はいつから恋人同士になった」



汗で絡み付いた髪を
掻き上げて。

同じく絡み付いた腕を
ぺしりと叩く。



「家でかき氷作ってやるから。今は我慢しとけ」

「!やったぁ、ブンちゃん大好き!」



喜びの余り更に絡み付いた腕を
うざったそうに剥がすブンちゃん。

ただその表情は
満更でもない感じで。



周りの奴らは甘やかせ過ぎだ。
なんてぼやいてるけど。

ブンちゃんも
言える立場じゃないよ?



笑いながら。

それを言うと本当に
置いてかれそうだったので。

暑さと共に飲み込む事にした。




(ブンちゃんはシロップ入れてから氷削る派?それともシロップかける派?)
(シロップ入れてから氷削ってシロップかける派)
((甘…))




†end

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