事様のお嬢様

【芥川慈郎】





ジリリリリ…!!





鳥たちの囀りと共に。

部屋中にけたたましく目覚まし時計が鳴り響く。




「ん〜…」




目を閉じたまま、手探りで音の発信源を探すが。

それは弱々しくさまようだけで、いつまでたっても見つからない。


諦めて体を起こし、思いっ切り手を伸ばす。



やっとのことで時計を見つけ、勢いよく叩いて黙らせた。





一気に静寂が訪れる。






うっすらと目を開けると。

ぼやけた視界が、風に揺れるレースのカーテンを映し出した。



暫くそれをボ〜っと眺めていたが、なかなか起きる気にもなれず。

バフッと布団を頭まで被り、目を閉じる。



この包まれている時間が幸せで。



──あぁ。二度寝最高‥!



そう思った時。

コンコン・と、ドアをノックする音が聞こえてきた。







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