色いタンポポ





手入れされた
庭を眺めながら。

縁側に座って
お茶を飲む。


それが私の。
毎日の楽しみ。



──そろそろかしら?



「なまえばぁちゃ〜ん!」



幼い声が私を呼んで。
顔を上げると

開け放たれていた木戸から
子供が1人。


転がるようにして
駈けてくる。



──あぁ、またそんなに慌てて走って。



「っわぁ!?」


案の定、足がもつれて
転びそうになる。


躓きながらもなんとか
私の膝に辿り着き。

頭から思いっきり
ダイブした。



「へへへー」


私を見上げて。
彼が恥ずかしそうに笑う。



「おかえり、慈郎ちゃん」



タンポポのような黄色い髪を
優しく撫でながら言った。




「うん!ただいまー!」



元気な声と屈託のない
笑みが返ってきて。

私は一層微笑んだ。







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