よっぽど重かったらしく。

ダンボールを地面に置いて、肩で息をしている。




「大丈夫?」



急いで近寄ると。
壇くんは慌てて答える。




「大丈夫です!すぐ運ぶので、ちょっと待ってて下さいです」




よし!と気合いを入れて、ダンボールを持ち上げる。


でも途中でよろけてしまい。
ダンボールは再び地面へ。




「無理しないで。あとは私が運ぶから」

「だ…ダメです!先輩はもう、1個運んだですから」



そう言って、壇くんはまた持ち上げようとする。





「大丈夫!私、意外と力あるんだから」




それを押さえて。

私は少し強引にダンボールを持ち上げる。



こうでもしないと、壇くん絶対譲らないから。





ヨタヨタと進んでいると。

壇くんが申し訳なさそうに後ろについて来た。




…ちょっと落ち込んじゃったかな?



そう思いながら。
入り口の段差に足をかけた。






──筈だった。







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