桜が風に揺れる4月。
新たな年を迎え、3年生になった私は。
いつもと変わらない通学路を一人で歩く。
「なまえ!」
聞き慣れた声に、風に舞う花びらを追って振り向けば。
そこには幼馴染みの白石が。
「おはようさん」
いつもの爽やかな笑みで、私の隣へと歩み寄る。
「おはよう。今日は朝練ないの?」
「あぁ、始業式やからな」
進み出せば。
自然に合う歩調。
中学だけじゃなく、幼稚園、小学校を共にした私たちには。
言葉なんて無くても通じ合う何かがあった。
゙腐れ縁゙
周りの茶化しにそう言って白石は笑うけど。
私もまた、゙悪友゙と言って笑うことにしている。
恋愛感情なんてない。
寧ろ兄妹のような関係。
それが私たちだった。
それでも好きで
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