旅立ちの日はふたりで迎えよう

空かない右手

上にも往けません

おしとやかな理不尽と私

下には往けそうでした

記すのは未来のはなし

くだけた欠片も愛なのね

煙に霞んだ陽炎

小雨が降るよ、わたしの瞳から

差し出す手を握り返すことは
ないでしょう

死すら分かつ視線

すずしい数学の恋人

背中で唄うカナメリア

立ち上がる溶けた脳

ちかくて遠くてだいすきで

伝えきれないなんてきっと
精一杯の嘘なんだよ

とおくて近すぎて心臓停止

名前に隠れた低体温

にじには還りますわ

濡れた酸素水の午後

値札には内緒とかハテナとか

のはらには宇宙だけが広がる

はらんだ誘惑と手つなぎ誘拐

皮膚には突き刺さった茨の刺

へこんだ週末

補習にて待ち合わせ

真実は決して知らない方が幸せなのよ

レモン色の夏タルト

無関係で居たかったから
目を反らすことに必死でしたの

melted butterfly

モラトリアムに愛してた

封筒には儚さで押しつぶされた花が一輪

よるいろのそらいろ

理由なき行進曲

冷却された挨拶

ロセッティ

わたしはわらうことができませんでした

思考回路は盲目

気づかないうちに君に恋してたの


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