◆氷点

解り合えないと知っていた

解り合えないと知っていた
君とひとつになったなら、きっと寂しくって泣いてしまうだろう
心臓は一つだけでいい。二つもの悲しみにはとても堪えきれないから。
愛なんてモノは無くったって生きていける。けれど、二人一緒に生きていくには愛なくしては居られないね。
ずっと、待っていた
上機嫌カルボナーラ
カンバスに白
絶望をプレゼント
私の美しい共犯者
どうやって立てばいいのかわからないの

どう息をしていたのかもわからないの
まるで海を歩く様
まるで空を覗く様
雨が降れば喜び
太陽が照れば笑う
雷が鳴れば手を叩いて
風が吹けば軽やかに踊れ
明日はどこにあるか
君が息をする
君の進むがままに

昨日はどこに行ったか
君が口を閉じる
左胸、もしくは
深爪じゃ背中に跡は残せない
大好きな君が死んでしまったとしても、生憎世界は終わらないから
君の心臓に耳をあてて
膝を抱えて祈る
私に見えない何かを彼女はずっと見つめていたんだろう
肘を抱えて隠す
傾げた小首で嘘を吐く


2013